Roco 42624 Digital switch drive
昨日届いたRoco 42624 Digital switch driveを使ってECoSで設定する詳細な解説。DCCに慣れてる方だと一般的な設定の仕方だったけどECoSと組み合わせる場合1つ問題があった。
まずはポイントマシンを組み込む前に動作確認。ESUのV90を使ったので大型キャパシタ搭載車。
フログは標準だと分岐方向にあわせて極性がかわるので全く問題ない。
ダブルスリップの分岐は4パターン。これを2つのポイントマシンで切り替える。
Roco 42624 Digital switch drive、デコーダ内蔵型でスイッチなどは一切ない。
マニュアルを見ると言葉も必要ないくらい簡単。
ダブルスリップを裏返すとポイントマシンを入れる場所がわかる、ネジも必要ない。
まずダブルスリップ側の駆動部分の一部の蓋を開けるとバーが出て来る。
そこへ形に合わせてパチっとはめるだけ、工具は必要ない。
蓋を戻す。
そして電力はデコーダから伸びる3本のうち2本にジョイナーから給電する。
標準でついているジョイナーをラジオペンチなどで引っこ抜き。
そしてデコーダ側のジョイナーと交換、DCCは交流なのでどちらにつけても問題ない。
ダブルスリップなのでもう1つポイントマシンを同様に組み込む 。
こちらもポイントマシン側のレールから給電した。
デコーダ設定:ECoSでダミーアクセサリを作成する
続いてポイントマシンに内蔵されたデコーダのアドレスを設定する。標準では1~3にもふられていなかった、何番なんだろう。
まずはアドレス設定のための後で消すダミーアクセサリを設定する。
なぜダミーなのかと言うとECoSのダブルスリップ設定はちょっと特殊で先にダブルスリップを
設定してしまうと2つ同時にアドレス信号が送られてしまうため、まずは個別のアドレスを設定する。
私のECoSのアクセサリはすでにいくらか埋まっているので別のタブにする。
どのタブでも良いので移動する。今回は分かりやすくするため13と14を利用する。
右下のスパナマークをクリックすると左にアイコンが現れる。
このアイコンの一番左の赤丸と+のついたアイコンをクリックするとスロットが現れる。
この状態で好きなスロットをクリック、次の画面が現れる。
ダミーなので名前は適当にアドレスだけは忘れないようにメモするか記憶に残す。
右のSemaphoreのアイコンはプルダウンになっていてアイコンを選べる。
レを押して戻る、するとダミーアクセサリボタンが出来る。
もう1つのデコーダ用のダミーアクセサリも作成。アドレスは別にする。
こんな感じで2個出来る、今回の場合のアドレスは50と51。
右下のスパナマークを押して画面を戻す。
デコーダ設定:ポイントマシンのデコーダのアドレスを設定する
続いてデコーダのアドレスを1つずつ設定する。マニュアルから、緑のコードのクリップに通電させるとプログラミングモードになる。
まずはSTOPを押して念のため給電停止。通電させたままでも通常問題ない。
これが緑のクリップ、レールにパチッとはまるように出来てる。
こんな感じではめる、2本のレールどちらでも大丈夫。
Goボタンを押して通電。
この状態で先ほどECoSで設定したダミーアクセサリを押すとクリップを挟んだ方のポイントマシンが動く。
これでこちら側のアドレス設定が完了、簡単。
一応STOPボタンを押して。
クリップを離す、慣れていればSTOPを押さなくても大丈夫。
もう一方のデコーダも設定する。
51のダミーアクセサリのボタンを押して作動させる。
ECoSのダブルスリップ設定
ちょっと特殊なECoSでのダブルスリップの設定をする。ダミーアクセサリを作成した時と同様にアクセサリ画面でスパナを押して新規アクセサリから作成。
こちらはレイアウト画面にも表示させるので今後の事を考えつつ名称をつける。
と言いつつ今回はテストなのでDKW-Aとする。
アドレスも同じ物にして、私の場合はNAMEの3列目にもアドレスを書いて分かりやすくする。
最新のZ21アプリだとアドレスが自動で表示されるので便利だけどECoSは古いので自分で。
アイコンは4-Wayタイプのダブルスリップを選択。
戻るとこんな感じのアイコンが出来る。
すぐ隣にGeneral Functionボタンを以下のように作成する。
これはECoSで4-Wayダブルスリップを設定する場合に必須。
こんな感じになっていればOK。これで左のアドレス50のダブルスリップアイコンを操作すると
アドレス51の方も自動で動いてくれる。
ダブルスリップアイコンを押すと4つの選択が出る。
Z21アプリだと押す場所で分岐を決めるけどECoSでは選択式。
通常このアイコンの分岐方向に合わせてデコーダ側の分岐方向を合わせるんだけど、今回の
Rocoのデコーダ付きポイントマシンにはCV設定もスイッチも何もない。
これはRocoのZ21だとZ21アプリ側でソフト上の見かけで反転させることが出来るからだと思われる。
Z21アプリの画面だとStateと言う所の0と1を変更する事で見かけ上反転させる事ができる。
これはこれで便利だけど、これはZ21アプリ上でしか有効じゃないので別のコマンドステーションでは
当然オリジナル設定のまま。
DCC Concepts最強!
私がメインで使用しているDCC Concepts製のポイントマシンやデコーダはとてもよく出来ていて今回のRoco製品のようにアドレスの設定がすぐに出来て、更に分岐方向の設定も簡単に出来る。
DCC Concepts製品共通でSETと言うスライドスイッチがあり、SET側にするだけで後の設定は
先ほど作ったようなポイントのアドレス番号を送るだけ。
例えばポイント自体のアドレスはそのままアドレスを送れば良いし、分岐方向を変えたい場合は
アドレス197を送れば良いと言う簡単設計。他社も見習ってほしい!けど日本ではマイナーすぎる。
私の所有するポイント用デコーダはほとんどDCC Concepts製なのでECoSにはこうした
ダミーアクセサリを設定してある。
左から「分岐方向切り替え設定」「サーボのセンタリングOFF」「サーボのセンタリングON」
「分岐方向切り替え設定」の設定画面はこんな感じで普通のアクセサリ扱い。
結局RocoのデコーダのCV値など公表されていないか調べたけど見つからず。
一晩中悩みに悩んで解決できなかった。
先ほどこのブログを書いている途中にツイッターで助言を頂き、機関車用デコーダのCV29を試しもした。しかしECoSとDSblueboxでCVの読みだしにチャレンジしたけど無理だった。
分解もしてみた、ソレノイドモーターの極性を反転せたらいけるかな?と思って無理やり
はんだを外して逆にしてみたけど焦げ付きそうなのですぐに元に戻した。
と言うわけでRocoのデコーダではECoSの4wayダブルスリップ設定は使えない事がわかった。
アイコンの表示と実際が違う事が気にならなければそのままでも十分使える。
もしくはデコーダ毎にアイコンを作って2つを操作するかルート設定すれば似たような操作には出来る。
2線式のフログレールとスプリングポイント
ここからは設定済み前提でちょっとした工夫をしてみる。私のメインのモジュールレイアウトは3線式と言うのもあるけど8割スローアクションにしつつ
スプリングポイント化してる。
3線式だと購入してすぐにスプリングポイントとして使えるし、絶対にショートする事がない。
ところが2線式だとそう言うわけにはいかない。
今回このRocoのダブルスリップは購入したてだと分岐方向でフログレールの極性が変わるようになってる。
もう一度最初の方に貼った画像。
通る方向でフログレールの極性を変えないとショートしてしまうのがわかる。
前にも書いたけどもう一度フログレールについておさらい。
2018年7月14日土曜日「Frog JuicerとRoco製ポイント解説」
通常フログはギャップが切ってあって絶縁し独立している。
フログレールを通過する車輪は分岐方向で極性が違う、と言うのを分かりやすくした図。
(Rocoのポイントは他社同様ウィングレールにも通電してる)
KATOのH0ユニトラックなんかはフログ自体プラスチックで出来ていてそもそも通電できない。
PECOのポイントでもInsulFrogとElectroFrogと2種類あって、Insul=Insulatedは名前の通り
絶縁フログでKATOのユニトラックと同じ考え方。
Electroは今回のRocoと同じで通電出来るフログを持っている。
選択式と非選択式と混同されがちだけど、そもそも関係ない話なのがこれで分かるはず。
KATOのH0ユニトラックの黒い部分がフログレール部分。
今回Rocoのダブルスリップはフログへの通電部分を簡単に分離できるようになっているので
スプリングポイント化してみる。
まずスプリングポイントとは、なんて説明必要ないかもしれないけど一応。
通常左上へ進行する場合、左側のトングレール(赤)は左上へ向かって分岐させなくてはならない。
この左側のトングレール(赤)が左上への進行に対して閉じていてもフランジで強引に開けて進行し
通過後はスプリングの力で元に戻る、これがスプリングポイント。
しかしRocoのポイントは標準ではフログへ通電しているため分岐が正しくないとショートしてしまう。
そこで裏にあるフログへ通電してるコードを外してしまう。
もう片方も同様に。
この状態でも無通電区間はフログだけで短いので長い車両の場合給電が途切れる事はない。
今回のESU V90も大型キャパシタを搭載してるので問題なく通過。
そしてスプリングポイントとしても問題ない。
しかし短いKöFやタンク機関車の場合停まってしまうかもしれない。
そこで先ほどのフログへ通電していたコードを利用してTam Valley DepotのFrog Juicerを入れる。
Tam Valley DepotのFrog JuicerはDigitraxやLenzなど多くのメーカーが採用してるアナログ式の
極性反転モジュールと違い、ブースターがベースになっているようで高速に確実に切り替える。
LEDの色が変わったら極性が反転された証拠。
Tam Valley DepotのFrog JuicerはDCCの信号のあいだに挟むだけのお手軽設計なのに
ショートや停止する問題が解決するのでDCCにはなくてはならない代物(と勝手に思ってる)
好きすぎてHex Frog Juicerを6枚くらい持ってる。
今回ECoSを基準に説明してみたけど、抜けてる所もあるかもしれないのでその都度追記したり
修正したりするかもしれない。
何かあればコメントください!
関連:
2018年11月14日水曜日「ECoS:ルート設定」
2018年11月16日金曜日「ECoS:ECoSnifferを使ってZ21でコントロールする」
こんばんは!
返信削除わかりやすい丁寧な記事、感謝致します。
肝心な時にログイン出来ないので、メールしました。よろしくお願い致します。
V90良いですね🎵
最近欲しい病にうなされております。
JR浜松さん、こんばんは!
削除ここからまた色々やってみましたが駄目でした。
メールの方ものちほど返信しますね!
ESUのV90は最初買う予定なかったんですがMarklinのV100が微妙だったので思わず買ってしまいましたが買っておいて良かったです!
客車の入れ替えにv90は似合ってますね。自動解放出来るESUが良いですね!
削除z21とECoS2.1を繋いでポイントを操作する場合のレールへの給電方法を考えて下さい。
また廉価版のZ21 startsetの本体単体での販売はあるのでしょうか?
給電については後ほど書きます!
削除本体単体はz21startの事ですよね?ModellbahnUnionがスターターセットのバラ売り良くします。
しかし最近ばら売りしてるものはそんなに安くないので微妙ですね。
DigikeijsのDR5000とほぼ同じ値段だと思います。
Rocoの通常のポイントデコーダー61196では、CV34に1を書き込むとポイントの左右ポジションを入れ替え、0を書き込むと工場出荷時の状態に設定することが出来るようなので、試されてまいかがでしょうか。
返信削除https://www.roco.cc/uploads/documents/pdf/61196_Weichendecoder.pdf
BergMontagneさん、こんばんは!
削除情報ありがとうございます!
さっそくCV34をやってみたのですが駄目でした。
multiMAUS、ECoS、DSblueboxで試しました。後でz21でも試そうと思います。
GeoLine用のデコーダと同じ設定じゃないのも困ったものです。
もともと別物なので仕方がないかもしれませんが情報が少なすぎると言うかそもそもCVリストが公表されていないので困りました。
ZIMOのデコーダーで、ポイント用のアクセサリーデコーダー、ME820Xというのがあります。このマニュアルを見ると、CV2に書き込む値で、左右ポジションの入換えが出来そうです。
削除http://www.zimo.at/web2010/documents/MX820E.pdf
6ページ左下
ROCOは基本的にZIMOのデコーダーを採用していますので、もしかしたらこれで出来ませんかね。その後の経過を呼んでいると、CV8が読めないということなので、無理かも知れませんが。
ありがとうございます!
削除さっそくやってみましたが残念ながら駄目でした!
そもそもアドレスを記憶する以外CVを用意していない可能性が高いですね。
ダミーアクセサリのアドレス51の方も、アドレス50と同じturnout leftに設定してみてはどうでしょうか。つまり、ダブルスリップは左分岐が2個背向してつながっているとみなせば、ECos2で制御できないでしょうか。
返信削除ありがとうございます!
削除一応アイコンを変える事も試していて、ECoSもz21アプリ同様見かけだけでした。
アイコンを変えたり、電源オフの時の状態を変えて見たりもしたのですがデコーダ側が覚えているようでどうしようもありませんでした。
そもそも4Wayダブルスリップアイコンで反転入れ替えが出来れば問題ないのですがz21アプリのように融通が利かないようです。
古いので仕方がないですね!
あとはポイントアイコンを2つ組み合わせてルート設定をするか、もしくはSnifferPortを使ってz21でコントロールしてしまう方法があるので、こちらも後程ブログに書く予定です。
凄い解説!
返信削除もう取説超えちゃってますね。
私はEcosもz21も持ってないので、へぇーそうなんだぁ、ぐらいですが、JR浜松さんのような方には神のお告げ的なものなんでしょうね。
Nardiさんの実績は日本のDCC鉄道模型界にとってなくてはならないものなんだろうなぁと思います。
一個人なのにねw
Gutさん、こんばんは!
削除ありがとうございます!
所有者はそこそこいるはずですが伝えるとなるとなかなか難しいですもんね。
私も拙いブログですがJR浜松さんのような方がいるとよし自分がなんとかしなくては!と思えるのでモチベーションの源です。
もちろんGutさんを引き込むための戦略でもありますね!(笑)
何にしても楽しむためには努力を惜しまない、と言うのも楽しさの1つとして見せていけたらと思ってます!
こんにちは。
返信削除CV29はダメでしたか。デコーダーだから、同じかと思いましたが。お役に立てずに申し訳ありません。
記事を読んでいると、ポイント用にかなり簡素化されていますね。安い代わりに「Z21コントロール専用。」に特化されてるみたいですね。悩ましいです。
Frog Juicerは勉強になります。先日の運転会で、ROCO社のオートリバース機器を使いましたが、デルタ線の極性反転がどうして上手に動作せず、困った事になっていました。DCC Dual Frog Juicer and Auto-Reverserなら上手く行くかもと思いました。試してみたいと思います。
Fuka-Pさん、こんばんは!
削除CV29教えて頂きありがとうございました!そしてコメントでBergMontagneさんに教えてもらったGeoLineのデコーダ、そしてViessmannのデコーダのCVも試しましたがダメでした。
YaasanさんにManufacturersIDを調べたらどうかと言う事でCV8の読み込みを試しましたがReadは対応してないようでした。
完全にz21で使えと言う事になりますね!
Frog Juicer良いですよ!ただ同じオートリバース系は隣同士並ぶ事は故障の原因になるそうなのでTam Valley Depotのマニュアルでは禁止されていますのでご注意を。