その前にクライアントが休みがちなGWを使って主力PCをセットアップして完全に入れ替える事にした。
そしてVROCの設定に注意点があったのでメモすることにした。
前回の記事
まずやらなければならないのはメイン作業ドライブのRAID-0設定。
RAIDは複数のドライブをまとめて分散して読み書きさせたり、同時に同じものを書き込む。
それぞれRAIDレベルで表現されて主に0~5、または0と1を組み合わせたものがある。
私の場合仕事で扱うデータサイズが大きく1プロジェクトにつき数テラバイト行く上に高速で
読み書きする必要があるためRAID-0(ストライピング)のドライブをずっと使用していた。
今はシーケンシャルリード500MB/sくらいのRAID-0の8TB、4年ほど使用してきたので
PC買い替えと共にドライブも新しくする。
残念なことにHGSTはWestern Digitalに買収されてからコンシューマー向けのDeskstarをなくして
エンタープライズ向けのUltrastarのみ残ることになった。
RAID-0は冗長性も耐障害性もないうえにフル稼働するのでHDDにとってかなり過酷。
私は信頼性の高いHGST以外使わないのでUltrastarのみになるとコストの面で厳しくなった。
今回仕方なくWestern DigitalになったUltrastar2TBを4台使ったRAID-0を作った。
HDDはRAIDコントローラからSFF-8088マルチレーンケーブルで接続された外付けケースに入れてる。
無事シーケンシャルリード約800MB達成、とは言え所詮HDDなので8TBちかく使い切ると徐々に遅くなる。
これでも十分良いけど、最近NVMe SSDが安くなってきたので思い切ってVROCにチャレンジする事にした。
VROCはIntelのVirtual RAID on CPUでPCI-E直結のCPU負荷をほとんどかけないRAIDシステム。
しかもIntelのSSDじゃないと本領を発揮しない。
RAID-0以外のRAIDにする場合はハードウェアキーが必要で対応マザーボードも必要。

X299-S01は一般販売されていないMSIのマザーボードだけど調べるとX299-RAIDERっぽい。
マニュアルを見てみるとVROC用のキーを刺すコネクタもちゃんとついてる。
次にPCI-Eの帯域をチェック。
私はSLIにはしないのでPCI-E3のx16が空いている、この帯域の場所へ刺せば最速になるはず。
ちなみにNVMeを2スロット目に追加したので条件をマニュアルで見てみる。
SATA 5~8が犠牲になるけどまったく問題ない。
購入したNVMe SSD Intel 760p 1TBが4本、そしてASRockのUltra Quad M.2 Cardを使う。
1TBが4本だと4TBも行かないけど1プロジェクトで4TB越える仕事は年に2回くらいなので
これをメインドライブにする事にする。
Ultra Quad M.2 Cardは低価格だけどヒートシンクにSSDが接触するようになっていて素晴らしい!
上からGeForce RTX 2080Ti、ArecaのRAIDコントローラ、Ultra Quad M.2 Card。
まずそのままでは認識しないのでマザーボードのUEFIの設定画面でPCI-E3スロットのVROCを有効する。
そのままUEFIの画面でRAIDボリュームを作成できる。
つぎにラピッド・ストレージ・テクノロジーエンタープライズ=RSTeをインストールする。
最初IntelのサイトでX299用のドライバを探したけど見つからない。
どうもX299用は各マザーボードメーカーから落とす必要があるようだ。
MSIのサイトからX299-S01はないのでX299-RAIDERのドライバをダウンロードしてインストール。
CrystalDiskMarkの結果、シーケンシャルリードは10869MB/s、ライトも6316MB/s行った。
しかも容量いっぱい近くなってもHDDのように速度低下しない。
HDDのRAIDから30GBのデータが約40秒でコピーできた。
これでさらに仕事が捗る、仕事が捗れば儲けも増える、儲けが増えれば模型が増える。
寝る時間は減るけど。
今回でRAID構築も6回目くらい、コストはかかったけど快適な環境になった。
今回の主力PCはシステムもSSDだし、メインドライブもSSD。
SSDはHDDに対して寿命が半分かそれ以下しかないので2年後には全部交換する予定。