The Nameless City: 1月 2020

2020年1月21日火曜日

模型映像制作概論-3 レンズとフレームレート

2020年1月19日日曜日「模型映像制作概論-2 カメラ」の続きです。

どんな人が読んでどこまで知りたいか不透明なままゆるい感じで進む映像制作概論ですが
一部の人にだけご理解頂ければ幸いと言う気持ちで進めていきます。
そうじゃないと書く事が多すぎて自分の精神が参ってしまう。

今回は今までの映像とカメラの構造を踏まえて、さらに一歩入ったレンズの面白さについて書きます。
光学的、物理学的な問題も絡んでくるので一部簡単に解説もいれますがまったく知らない人には
本当に難しい問題だと思います。
カメラはどこにでもあるので習うより慣れろでマニュアル操作で触って見るのが一番です。

センサーサイズとレンズの関係

前回最後にセンサーサイズの所で「レンズとセンサーの大きさで絵作りの幅、表現の幅が違う」
と書きましたがもう少し具体的に説明します。

レンズとセンサーの大きさの違い。
スマートフォンはこの画像の1インチよりも更に小さい。
1インチはコンパクトデジタルカメラなど。
4/3はフォーサーズと読みますがこの辺りから一眼カメラになってきます。
センサーのサイズが大きければ大きいほどレンズの特色を生かした絵作りが出来ます。
逆に小さいセンサーはその大きさを生かしてレンズも小さくした方が有利です。

大きなカメラ用のレンズと小さいセンサーで写真を撮る事ももちろん可能です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Crop_factor

しかし、この画像のように35mmフルサイズカメラ用のレンズを使って小さいセンサーで撮影すると
クロップと言って単純にレンズの中央部分しか撮影できません。

これはこれでレンズが一番きれいに撮れる部分を使えます。
映画用のカメラがフルサイズのセンサーではなくSuper35mmと言って少し小さめな理由は
また別の理由がありますので別の機会に。

市販のレンズで「35mm判換算で○○mm相当」なんて書かれている理由は次の画像。
https://en.wikipedia.org/wiki/35_mm_equivalent_focal_length

これが書かれているのはフルサイズ用ではない小さいセンサー用レンズと言う事になります。
フルサイズで見た時にクロップされるので、クロップされた範囲がフルサイズで撮影した時に
何mmのレンズ相当なのかわかりやすくするために書かれます。
ざっくりですがAPS-Cは1.5倍、マイクロフォーサーズは2倍で計算すればだいたいのフルサイズ換算になります。

スマートフォンのようにレンズやセンサーが小さくても写せる物の大きさは変わりません。
変わらないように光学的にレンズを作っているからですが、小さい分入ってくる光の量は少なく
焦点距離も一定でボケを生かした撮影は基本的に出来ません。
とは言え近年デジタル的に後処理で追加する事ができるようになりました。

焦点距離

いよいよ実践的な話になってきます、次は焦点距離についてです。
クロップされないフルサイズ用レンズでの話で進めていきます。
レンズに〇〇mmと書かれているのは焦点距離の事です。
こんな感じで画角が変わってきます。画角とは写せる範囲と広さの事です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E8%A7%92

焦点距離と言っているけど実際の距離ではなく光学系の主点から焦点までの距離で屈折回数で
レンズの大きさも変わってきます。
写真レンズの場合は合成焦点距離と言うそうです。

ここから私が4日前に作っていた画像をようやく貼っていきます。
レンズの違いは実物でやると余計な事が多すぎるのでCGで分かりやすく説明します。

まずはフルサイズ用レンズをシミュレーションして縦横比16:9(一般的なHDやUHDの縦横比)
すべてに焦点があっている状態(パンフォーカスと言います)
すべて同じ場所から教会を狙いレンズだけ変えて撮影。

24㎜レンズ

50mmレンズ

135mmレンズ

200mmレンズ

手前の建物と奥の建物が徐々に詰まってきて見えると思います。
全体的に密度の高い画作りが出来ます。

では次は24㎜レンズのまま場所を変えて教会へ寄って行き似たような画をさぐってみます。
24㎜レンズでそのまま最初の撮影場所。

50mmレンズに写っている建物を基準に寄った所、徐々に遠くの建物が遠くへ。

教会を135mmレンズと似た大きさに収めた所、手前に入っている建物が減り、遠くの建物は遠いまま。
後ろにあった鐘塔は教会のドームに隠れてしまった。

教会を200mmレンズと似た大きさに収めた所、ここまでくると建物も歪んで見える。

どうでしょうか?ほとんどの方は意識せずに感覚でこの写真の撮り方をしてると思います。
単焦点レンズ(ズームレンズではなく〇〇mmが固定のレンズ)の場合は自分自身が被写体に
寄ったり離れたりする必要があるので特に実感できます。

被写界深度

被写界深度と言う言葉を聞いた事がある方も多いと思いますが、ようはピント(フォーカス)の
合っている範囲の事を言います。
この被写界深度とボケを生かした画作りをする時に重要なのが絞り(F値)の調整です。
Wikipediaにはボケを生かした撮影方法が日本発祥かのように書かれていますが、言葉として
ボケ=Bokehと言う言葉が英語でも使われるようになっただけで元々一般的な表現方法です。

ただピント(フォーカス)を合わすだけならフォーカスリングを回すだけですが、その
ピント(フォーカス)の合う範囲を調節するには絞り(F値)を調節する必要があります。
絞りは地球上の生物なら皆さん普通に眼球に備わっている機能なので分かりやすいはずです。
目が悪い人はとくに目を細めるとピント(フォーカス)があってくるはずです。

コンタクトレンズのアキュビューのサイトが分かりやすい。
「瞳のギモン『目のしくみ』:目を細めると見やすくなるのは、なぜですか?」
https://acuvuevision.jp/gimon/vol10_1

カメラ用レンズにはフォーカスリングがあるので絞ってさらにピント(フォーカス)を合わす事で
焦点の合っている範囲を自由に変えられます。

目と同じようにレンズの絞りもこうなっています、F値との関係も次の画像のような感じ。

人の目もそうですが絞ると入ってくる光の量も減るので暗くなります。
つまりピント(フォーカス)の合う範囲を広くしたければしたい程明るい必要があります。
逆に被写体以外がボケボケの画作りで良ければ暗くても絞りを開ければ大丈夫です。

パナソニックのデジタルカメラ講座のサイトが分かりやすいです。
https://av.jpn.support.panasonic.com/support/dsc/knowhow/knowhow06.html

次は先ほどのCGを使ってボケ具合をシミュレーションした画像を作ってみました。
上には真横からみたCGで何となくの焦点範囲をあらわしてます。
135㎜レンズで同じ場所から絞りを変えた場合を想定してます。

最初は全部に焦点が合っているパンフォーカスの状態。F22を想定。

次はF16を想定、徐々に前後がボケてきて若干明るくなってきます。

F8を想定、だいぶ焦点範囲が狭まり明るくなってくる。

F4を想定、後ろの鐘楼はボケて溶けてしまった。

F2.8を想定、明るさも増して後ろの鐘楼は見えなくなってしまった。

現実に晴れた日にここまでボケを生かした写真を撮るにはNDフィルターと言ってあえて入ってくる
光の量をコントロールする必要がありますがCGだと簡単。

どうでしょうか?ボケと言うのは一見邪魔なように思えますが画作りとして面白い効果があります。
映像を撮影できる機材の性能が悪かった頃はレンズもセンサーも小さく逆にボケを作るのが難しく
画作りとしてはペタッとしたフラットな画しか作れなかったのでビデオっぽい画と言うレッテルが
貼られていました。
今はレンズやセンサーが進化してハンディカムのような小さいビデオカメラでもそこそこ画作りが出来ます。

スマートフォンやGoPro等アクションカムは更に小さいので映像表現としては今でも
幅が狭いのが分かると思います。
写真であればデジタル的な後加工でボケを追加したりできますが、それはあくまで写真を
解析したうえでのものです。
映像でも出来るようになってきましたがまだウソっぽさが残ります。

縦横比による見え方の違い

少し雰囲気を変えて縦横比の違いについて見てみる事にします。
ここまでは縦横比16:9で様々な画角を見てきました。
次は4:3と言うどちらかと言うと写真や旧テレビの縦横比に近い形です。
24mmレンズ、単純に上下の見える範囲が広い事がわかります。

教会へ寄って見た所、いかにも写真と言った雰囲気になります。

最近スマートフォンなどで縦のまま撮影すると16:9が縦位置に記録する事になるのでこんな画になります。
確かに上下がすべて入るしスマートフォンに最適化されていて良いのですが映像的にはおかしく感じます。

前々回に書いた映像フォーマットについてをおさらいすると分かります。
2020年1月18日土曜日「模型映像制作概論-1 映画史と映像フォーマット」
元々映画館など広い所で上映する場合は横長である必要もあり長年横長の映像が一般化しましたが
HDTVの登場で更に人間工学的に距離と視野角から16:9が決定しました。
上下よりも左右からの情報を認識しやすい生物の目は上下に大きな画面には見慣れません。
やはり縦位置の映像はスマートフォン用と割り切った方が良いでしょう。

もし4:3や9:16の縦位置で撮ってしまって16:9の横位置の映像と組み合わせるとどうなるか見てます。
左は4:3を16:9横位置に、右は9:16の縦の映像を16:9横位置に収めた所です。
こういう状態をピラーボックスと言います、テレビを見ていて昔の映像を流すときにこの
左右黒い部分にボカした同じ映像をはめている事が多いと思います。
逆に4:3に16:9の映像を収める事をレターボックスと言います。

映像を編集する時に突然黒い部分が現れるのは、その瞬間にテンポが途切れ別の場面へ
シーンチェンジもしくは時代が変わったかのような錯覚になるので避けるべきでしょう。

実際に模型を撮ってみる

CGや屋外では明るく自由なのでどんな映像でも撮れますが屋内ではそういうわけには行きません。
次は屋内でちょっと照明を置いて撮影をしてみましたが、いかに悲惨な状況かわかると思います。

太陽光と屋内の照明の明るさについては過去に書いているので参考に。
2018年1月29日月曜日「レイアウトのライティングについての考察」

夏の太陽は晴天の昼で100000ルクス、冬だと50000ルクス。
うちにある照明は5500ルクス(高さ1m)を2灯、レイアウトをフラットに当てて撮影するため
ちょっと特殊な置き方をしました、足りない部分は古いLEDライトや家庭用スポットライトを
天井に向けてます。

今回は映像ではないけど絞りと明るさの関係を見るためCanon 6Dで撮影。

絞りとシャッタースピードを変更して明るさを合わせつつボケ具合の変化を見てみます。
Canon EF24-70ズームレンズで59mmまで寄って撮影。
シャッタースピード1/20 絞りf22 iso3200、これでパンフォーカス気味。

シャッタースピード1/125 絞りf11 iso3200

シャッタースピード1/1500 絞りf5.6 iso3200

シャッタースピード1/2000 絞りf2.8 iso3200、これで絞りは全開状態で開放と言います。

次は試しに絞りは開放でシャッタースピードとISO感度を下げて同じ明るさにしたもの。
シャッタースピード1/60 絞りf2.8 iso100、こんな事も出来ます。
シャッタースピードを下げる=センサーへあたる光の時間が長い
ISO感度を下げる=上げると明るくなるがノイズが増えるので出来るだけ下げたい

次はさらにパンフォーカスを追及するためにカールツァイスの15㎜で撮影してみます。
Carl Zeiss Distagon 15mm
シャッタースピード1/30  絞りf22 iso3200、これで似た明るさに。

写真の場合はトリミングできるので中央部分を切り取ったもの。
これでこの暗い室内でもほぼパンフォーカスになっています。

映像の場合はシャッタースピードで明るさを稼げないのでとにかく光量を稼ぐしかありません。
室内で光量を稼ぐにはとにかくお金をかけて照明を追加するしかありません。
過去にも書いていますがHMIと言う照明が最強です。
この写真のARRIのHMIは非常に高価なうえに家庭で使ってる人はほぼいないと思います。

とは言えここまでしなくても模型に十分な光量が当てる方法はあります。
これは先日のネレトー先生との模型演出研究会でも学んだ事なので別の機会に書きます。

シャッタースピードとフレームレート

実際映像を撮影する場合は最初の回で書いた静止画(フレーム)の連続なので、その連続数である
フレームレート(FPS=Frames Per Second)が重要になってきます。

静止画を撮影するのにシャッタースピードは自由に設定できますが映像の場合1枚1枚の静止画の
フレームレートが決まっていますので秒30フレームなら1/30、秒60フレームなら1/60以下の
シャッタースピードには出来ません。
出来るものもありますが同じフレームが連続してフレームが飛んで見えます。

ハイスピード撮影(スローモーション)する場合も同じです。
秒240フレームの場合はシャッタースピードを1/240以下には出来ないと言う事です。

さらにフレームレートで問題になってくるのが西日本と東日本で違う電気の周波数です。
LED照明になってあまり気にならなくなってきましたが、安いLEDや古い電球などはダイレクトに
周波数の問題に直面します。

下のアニメーションはテレビのリフレッシュレートを現したものですが説明に丁度良いので引用します。

このVideo Frames=フレーム数とReflesh Rate=周波数が合っていれば問題ありません。
しかし電気の周波数で明滅を繰り返す電灯の場合周波数と合っていないとチラついて見えます。
この現象をフリッカーと言います。

動画を撮った事のある人は分かると思いますが夜の街を撮影すると良く分かります。
例えば古い駅舎なんかの照明と街の看板でチラつきが違う事が分かると思います。
これが家庭内でも起きます。

西日本の人は実は映像フォーマットと相性が良いのです。
60hzなので60フレームの映像を撮影する場合シャッタースピードを1/60を最低にできますし
更に1/120や1/240でハイスピード撮影してもフリッカーが出にくいのです。

しかし東日本はなんと50hzです。これは映像にとって非常にやっかいです。
60フレームの映像を撮る場合丁度良いシャッタースピードは1/300からです。
どちらでも割り切れるシャッタースピードでなければなりません。

そのため撮影スタジオでは照明を安定化させるハイスピードなバラスト電源を使用しています。
メーカーや機種によってまちまちなのでカメラ側でシャッタースピードや絞りの調整は必要ですが
一般家庭用の照明とは比べ物にならないほど自由度が高いのです。

次はこれらを踏まえて映像撮影と照明と画作りについてちょっと突っ込んで書いてみたいと思います。



2020年1月19日日曜日

模型映像制作概論-2 カメラ

2020年1月18日土曜日「模型映像制作概論-1 映画史と映像フォーマット」の続きです。
最初にこちらを読む事をオススメします。

はじめに

世界の人口は70億を超えスマートフォンユーザーは40億を超えていると言われてます。
通常スマートフォンにはフィーチャーフォン時代からは比べ物にならない高性能なカメラ機能がついています。

カメラの歴史について書くと映像史よりも遥かに長く深いものがあるので割愛します。
コンピューターの発達と小型化でカメラのフルオート機能が優秀になり誰でも簡単に良い画が
作れるようになりました。
これは良い事ではありますが1歩踏み込んだ絵作りをしようとするとフルオートは邪魔になってきます。

カメラに関してはプロでなくても詳しい方も多いと思いますので分からない事は身の回りの
詳しい方に直接感覚で聞くのが早いでしょう。

そして何よりカメラそのものはカメラを作っているメーカーの解説を読むのが近道です。
「Panasonicのデジタルカメラ講座」が分かりやすくてオススメです。
https://av.jpn.support.panasonic.com/support/dsc/knowhow/index.html

キャノンニコンも初心者向けのサイトがありますがかなり専門的です。

ソニーは絵作りがメインになっていてこちらもオススメです。
https://www.sony.jp/support/ichigan/enjoy/photo/

今回は絵作りが出来る映像向けカメラについて簡単に解説します。

カメラの種類

カメラと言ってもたくさんの種類があります。
最初に書いたスマートフォンの機能の一部もそうですし、一眼レフ、チェキ、防犯カメラ
車の自動運転、ロボット、なんでもカメラが付いています。
そして現在はどれも基本的にレンズがついています。

カメラの始まりの「カメラ・オブスクラ」「ダゲレオタイプ」と言った写真史についてはWikipediaで読めます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%99%E7%9C%9F%E5%8F%B2

昔はフィルムに焼き付けて写真を作っていたのに対して現在の主流はセンサーに直接光をあて
デジタル処理して写真を作っているので根本的にフィルムとは構造が違います。

Panasonicのデジタルカメラ講座「カメラの原理と種類」が分かりやすいので
こちらも合わせて読んでください。
https://av.jpn.support.panasonic.com/support/dsc/knowhow/knowhow01.html

現在でもフィルム写真は残っていますがデジタルとどちらが良いか悪いかなどは書きません。
歴史についてもいっきに飛ばして現在の主流なデジタルベースのカメラについて少し解説します。

スマートフォン

今は誰でも高性能なカメラを持っていると言っても過言ではありません。
近年複数のレンズとセンサーを持ったカメラが出現していて、かつてのBolexのカメラを彷彿とさせる。
https://en.wikipedia.org/wiki/IPhone_11_Pro
https://en.wikipedia.org/wiki/Bolex

スマートフォンはアプリも内蔵されているのでそのまま編集もできYoutubeやSNSへアップロードも簡単。
ただしセンサーとレンズの大きさが小さいのでボケなどを生かした絵作りが苦手。
その代わり最近ではアプリ側でわざとボケを足す事が出来るようになりました。
小さくて出来ない事はアプリ側でデジタル処理しよう!という発想です。

じょばんにさんがiPhone 11 Proでの撮影についてちょうど良いタイミングで書かれていますので
こちらも合わせて読んでください。
http://giovanni-ihatov.hatenablog.com/entry/2020/01/19/164315

コンパクトデジタルカメラ

フィルム時代のコンパクトカメラはレンズ一体型でマニュアル操作が出来て高価なレンズを
搭載した高級機もありましたが基本的には簡単で安いものが主流でした。
現在のコンパクトカメラのスマートフォンとの違いはセンサーやレンズも大きくなり、絵作りの幅が広い。
スマートフォンとの差別化で高級機が多めかもしれません。
私の所有するコンパクトデジタルカメラSony RX100 MkV。
4k動画撮影もできS-Logと言う階調表現に自由度を与える撮影方法が出来て更にフルHD
120/240フレームのハイスピード撮影もできるので重宝しています。

一眼レフカメラ

カメラが多様化しレンズ交換式が珍しくなってしまった現在、一眼レフカメラと言うとレンズ交換が
出来るカメラと言う認識が一般的かもしれません。間違いではありませんが正確ではありません。
Panasonicのデジタルカメラ講座」でも書かれていますが一眼レフカメラとはレンズから入った光をミラーやプリズムで屈折させファインダーで見る事が出来るカメラの事です。

注:ファインダーと言うのは一般的には光学式ファインダーでカメラの覗き見る部分(オレンジ丸)です。

簡単に言うと、どんなレンズを付けてもそのレンズの画がファインダーで直接見れると言う事です。
スマートフォンに慣れているデジタルネイティブな人からすると
「え??普通直接レンズの画を見れるんじゃないの?」って思うかもしれません。
それは後述するデジタル処理をしてディスプレイに表示させていますので光学的に直接見ている
ファインダーとは構造が違います。

次の写真はレンズを外して屈折させるためのミラーが見えるところ、撮影ボタンを押すと
このミラーが上がって(更にシャッターが開き)センサーに光が到達します。
私の所有する一眼レフカメラCanon 6D、現在も写真用にフル活用中。

一眼レフカメラに対して二眼レフカメラというのはファインダー用のレンズがあり、このような
複雑な機構が必要なくフォーカスも合わせやすいという特徴があります。
しかし現在日本では量産されていません。

ミラーレス一眼カメラ

ミラーレス一眼カメラは一眼レフカメラと名前は似ているけど構造はまったく違います。
ミラーレスと言う言葉からも分かる通り前述のミラーが存在しないデジタル世代の一眼カメラです。
レンズを外すといきなりセンサーが現れます。
私の所有するミラーレス一眼カメラSony A7s、私の鉄道模型動画のほとんどをこれで撮影しています。

フィルムからセンサーを使ったデジタル式になり光学的にファインダーを見る必要がないため
センサーから入ってデジタル処理された画像をディスプレイに表示したり小さなディスプレイで
出来た電子式ファインダーで見れるようになりました。
ただしファインダーは光学的ではないためディスプレイの性能によって見え方が変わります。

ミラーレスの利点は軽量コンパクトに出来る事、レンズからセンサーまでの距離が短いため
レンズも幅広く対応できるようになります。
レンズからセンサーまでの事を鉄道用語とも近いフランジバックと言います。

デジタル映画カメラ

今は映画用カメラもデジタルが主流です。
フィルムにこだわりのある監督達もいるため今でも彼らの力を借りフィルムの製造が行われています。

良く貼っている写真ですがRED EPICにAngenieuxのOptimo 17-80mmで撮影してもらった時。

Sony F55にFUJINON ZK12×25で撮影してもらった時。

上記二つは撮影監督がいて私が演出と言う立場のケースです。
私も低価格ですが自前でデジタル映画カメラを持っています。
Sony FS700、4k RAWユニットも所有してますが今は出番がほぼありません。
この写真はあるアーティストの撮影ですが予算の関係から手持ちの機材で済ませました。
この場合は撮影も私ですがライティングだけ友人に頼みました。

これらデジタル映画カメラは高価ですが絵作りの幅は半端なく広いです。
写真撮影でも同様ですがセンサーから入った光の情報を生のままデータを保存する方法があります。
この生データは劣化もしていませんし幅広い光の情報が残っているので絵作りがしやすいのです。

一般的なスマートフォンやデジタルカメラはMP4形式など扱いやすいデータ形式になると思います。
これは撮影段階でカメラ側で色付けし形を整えて出力し出来上がったデータです。
撮影のフルオートに加えて、フィルムで言う現像のフルオートがあるような感じです。

フィルムの現像についてはこちらへ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8F%BE%E5%83%8F

民生用カムコーダ

いわゆるソニーのハンディカムのような一般家庭向けのビデオカメラです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Camcorder

私も数台持っていますが何年も稼働していなくて倉庫へ入れてしまい、出すのが大変なので
写真はWikipediaから引用です。

近年の民生用カムコーダもセンサーが一眼レフカメラなどと同じ物が使われるようになり画質が向上しました。
(ざっくり昔はCCD、現在はCMOSです)
高級機になるとレンズやセンサーの大きさも大きくなり絵作りの幅が増えます。

データの保存形式や保存メディアも普通のカメラやスマートフォンと同じなので形は違っても
中身はほとんど変わらない物になってきました。
利点は長年のノウハウの蓄積もありバッテリーが長持ちだったり軽量で持ちやすいなど工夫がされています。

今回紹介してきた中でレンズが固定のコンパクトデジタルカメラと似ているかもしれません。
フルオートでも優秀ですし、マニュアルでもある程度絵作りができます。

センサーサイズ

ここまで注意深く読んでくださった方はお気づきかと思いますが、レンズとセンサーの
大きさで絵作りの幅、表現の幅が違うと言う事が分かると思います。
おまけに価格も上昇しプロ向けになればなるほど大きくなります。

レンズを通して入ってきた光を受けるのがセンサーですが、レンズがいくら大きくて明るいものでも
センサーが小さいとレンズの中央部分しか光を拾えません。
(これはこれでレンズの一番おいしい部分を使える利点でもあります)
逆にセンサーの方が大きい場合はケラレと言いますが四隅が黒くなります。

今回紹介したもので言うと。
スマートフォンは小さすぎるのでこの図にはありません。
コンパクトデジタルカメラはだいたい1インチ以下の大きさ。
一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラは1インチ以上の大きさと言うイメージです。
フルサイズ以上の大きさも存在し映像でも近年巨大化が進んでいますがレンズの開発も
同時に行うため高価で時間もかかります。

フルサイズと言うのはフィルム時代の35㎜フィルムのサイズを言います。
レンズとセンサーの関係については絵作りとも関係するので次回詳しく解説します。

最後に

本当はカメラを前置きにしてレンズや画角の話を書く予定でしたが長くなってしまったので
分ける事にしました。次はようやくレンズの話です。

次:2020年1月21日火曜日「模型映像制作概論-3 レンズとフレームレート」

2020年1月18日土曜日

模型映像制作概論-1 映画史と映像フォーマット

はじめに

2018年に一度私の動画撮影の内容について書いた事があるけど、あくまで制作の流れを書いただけ
だったので今回からもうちょっと突っ込んだ話を出来るだけ簡単に書いていきます。

ただ毎回書いていますが私は映像演出や編集は得意ですが撮影やライティングに関しては素人にちかく
謙遜しすぎるのも良くないのでハイアマチュアと言っておきます。

これは自分が勝手に思ってるだけですが、ネットで不特定多数に見られる場合に自分より専門的な
人が必ず何名か見ると思っているので半端な事を書いて誤解されるのを恐れています。
そして見知らぬ人の場合は必ず相手が最低限知っているだろうと言う前提で会話を始めます。
これは相手が自分より知識があり教えを乞う方が相手から会話を引き出しやすいと言うのもあります。
その時相手が知識がなく逆に教えを乞うて来る場合もありますし、そのままずるずると知ったかぶりを
続ける方もいらっしゃいます。
そういう場合はさすがに訂正させてもらいますが自分がそういう立場にも成り得ると常に思って
いるのも大切だと感じています。

結果として餅は餅屋で仕事の現場では私は演出に徹する事がほとんどです。
とは言え演出する人間の知識として最低限知っている必要があるものがあります。
それを模型に特化する形で回を分けてわかりやすく紹介していこうと思います。
間違いなどありましたら遠慮なくツイッターやブログにコメントをください。

注:引用元のない画像は123RFで購入した有料の著作権フリー画像です。

映画史

映画史なんて知る必要ない!?そんな事ありません。
なぜなら歴史を知れば、なぜこういう仕組みで、なぜこういう約束事があるのか?
など必然性を深く理解できるからです。詳しくはリンクをクリックしてWikipediaをご覧ください。

複数のカメラを並べて動きのある被写体を連続撮影したものが有名。
「The Horse in Motion」1878年




アニメーション化したのがこちら。

当時は連続して投影する技術はなかったのでまだ映像とは言えなかった。

「Roundhay Garden Scene」1888年

こちらはマイブリッジと違い撮影も映写も16レンズのカメラで行ったため世界初の映画撮影
映画映写機になったが当時特許争いもあり謎の死を遂げてしまった。

他にもたくさんの映像史に残る偉人がいる。
特に重要なのが1893年エジソンや1895年リュミエール兄弟が現代のカメラや映写機の
元になるシステムを開発した。

静止画の連続(フレーム)

この連続した静止画/フレームを順番に送り出す事で映像になり動き出す。
この原理は2020年現在のスマホ時代になっても変わっていない。
現代に生きる我々には普通の事のように思える事も歴史を知るといかに大変だったかわかる。
まず高速にシャッターを切る事が出来なかった、高速でシャッターを切ると言う事は明るさも必要だった。
この理由についてはまた次回。

静止画の連続はパラパラ漫画と同じ原理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC

映画の登場

映像を撮影、映写する技術が確立されるといっきに映画が作られ始める。
世界初の映画は1902年ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」
16フレーム/秒、14分の映画で現在パブリックドメインなのでYoutubeなどで見れる。

さて16フレーム/秒、14分は全部で何フレームでしょうか?
14分x60秒=840秒、840秒x16フレーム=13440フレーム。
フレームは日本ではコマともいわれる。

近代の映画は音声との都合で基本的に最低24フレームで描かれている。参考:トーキー
映画の発展とともに視野角を利用した3D上映などは倍の48フレーム。
ジェイムズ・キャメロン監督は最新映画で144フレームで撮影するが実際に片目に
入ってくる情報は毎秒24フレームを(交互に)3回で72フレーム、両目で144フレームになる。

テレビの登場

映画の誕生まではシンプルだけどテレビについて書くと恐ろしく膨大な資料になるので手短に。
技術的には1920年代機械式テレビの実験によって電波で飛ばす事ができるようになった。
この方式が世界大戦などを経て規格が世界でごちゃごちゃになり現代にもズルズルと続いている。

細かい話は端折るけど、昔ブラウン管テレビが主流だった頃までは世界では大きく3つの方式があった。
NTSC(29.97フレーム)=アメリカが中心の規格で中南米とアジア圏
PAL(25フレーム)=西ドイツを中心に西ヨーロッパ
SECAM(25フレーム)=フランスを中心にロシア・東ヨーロッパ

フレーム数は基本的に映画の24フレームを基準にしていた。
しかし時代が進むと人間は思った以上に動体視力が良く、さらに細かいフレームを追える。
しかも視野角はテレビも映画と近くしよう、どうせなら人間工学に合わせよう。

HDTVの登場

ハイ・ディフィニション・テレビジョンなんてダサい名前誰がつけたんだ?そう日本です。
日本はHDTVでは最先端を行っていました。
ソニーとNHKという世界でも(今でも)非常に強力な技術者集団がいるので本格的にデジタル時代が
到来する前に衛星放送を使ってHDTVを実現してしまいました。
最初はアナログハイビジョン、次にそれをベースにデジタル化したMUSE。

私も映像業界の端くれだったので社会人になるやいなやいきなりMUSEデコーダ搭載のテレビを買いました。
ハイビジョン放送と言うやつです。

MUSE
アスペクト比 : 16:9
総走査線 : 1125本/ 有効1035本
フィールド周波数 : 60.00Hz(60フレーム/秒)

日本は世界に先立って初めて商用で現在一般化しているHDTVを実用化しました。
16:9の視野角に60フレームで動く1125本の走査線。
残念ながら世界のデジタル規格化する際に既存のフォーマットとの相性が悪く
MUSEは採用されませんでした。

しかし日本のHDTVが基本となり欧州などの規格と合わさって現在のデジタルHDTV規格が出来ました。

デジタルハイビジョン
アスペクト比 : 16:9
総走査線 :1080本(1920 x 1080ピクセル)
フィールド周波数 : 59.94Hz(59.94フレーム/秒)

これが現在の世界標準です。
余談ですが日本のデジタル地上波ではデータ量を減らす為1440x1080ピクセルにして480ピクセル捨て
横に少し伸ばして放送しています。

映像フォーマット

ここで近代におけるコンピューター上で処理する際の映像フォーマットについて。

昔はアナログ放送だったので正確にはピクセル単位での縦横比が違っていたのでもっと複雑だった。
例えば720 x 480だと実は4:3にならない。正方形ピクセルなら720 x 540が正解。
しかし480なのは1ピクセルが縦長で出力されるからでした。
これもアナログ時代の電波との関係性など細かい話がたくさんあって理解し難いので割愛。

デジタル時代の今は何も考える必要がない、1920 x 1080 59.94フレーム(60フレーム)で撮影編集
しておけば様々なプラットホームで再生する事ができる。

ただし1920 x 1080ピクセルと言う細かさは良いとしても59.94フレーム(60フレーム)は
必ずしも必要とは限らない。
人間が限界まで認識できるフレーム数を表示すればきれいかと言うと別問題です。

最新のゲームでは144フレームから240フレームで表示できるものもあるけど、これは
プロゲーマーの視力がアスリート同様半端なく追従できるからです。
普通の人が見たら頭がクラクラしたり酔ったりするかもしれない。
映画と同じ24フレームや省略して29.97フレーム(30フレーム)にした方が人にやさしい演出もある。

また最近のカメラはハイフレームレート対応のものも多く毎秒120フレームなどで撮っておいて
あとで30フレームや60フレームで再生する事でスローモーション効果を狙う事もできる。
これも現代のありがたい技術のおかげで演出の幅が広がりました。

取り急ぎ「映画史と映像フォーマット」についてはここまで、4kなどは後で説明します。
次はいよいよ実践的なレンズや画角について書きます。

次:模型映像制作概論-2 カメラ






2020年1月16日木曜日

Weichen Walter製センターレール追加が届く

プランを変更してからセンターレールが足りなくなったのでWalterさんへ追加注文。
買おうとしたら重量が10㎏になっていて送料がとんでもない事になっていたのでまずは
メールでショップのシステムがおかしいかも?と伝えて修正してもらった。
それが1月3日、在庫があるのですぐに送るよ!との事で速攻出荷。

しかしロートガウはまだ本調子ではないらしくフランクフルトまで1週間もかかった。

フランクフルトからは割と普通で今日届くまでたったの4日だった。

相変わらずしっかりした箱で届けてくれる。

なかはニッケルの薄い板なので分厚い段ボールでガードされてる。

さらに段ボールではさまれてる。

フレキシブルレール用のものはメール便用の硬い封筒に入ってる。

今回購入したもの。
1 x Punktkontaktstreifen für Peco
11 x Weichenset Pukostreifen für Tillig und andere Code 100 Weichen

たぶんこれで足りるはず。