The Nameless City: 3月 2020

2020年3月25日水曜日

Train-Tech PC2 設定&動作確認

Train-Tech PC2 ソレノイドポイントマシン用デコーダが届いたのは2019年7月。
2019年7月20日土曜日「Train-Tech SD2 Smart Screenなどが届く」

この時はスマートスクリーンのついでに買っただけでメインで使う予定はなかった。
しかしコロナウィルスによる世界的なパンデミックの影響で予約しているDCC Conceptsの
8チャンネルデコーダの入荷の見通しが立たない事。
そもそもイギリスは近々5~6週間のロックダウンでショップも運送も停止する事。
そう考えるとラグを考えて数ヶ月から下手すると1年以上待たされる気がする。

と言うわけでTrain-Tech PC2の在庫がHatton'sに3個あったのですべて購入。
現地時間26日前なら出荷すると言う事で慌てて注文したけど、駆け込み多いだろうし申し訳ない。
3個でもチャンネルが足りないのでDCC Conceptsのデコーダが発売されるまで残りは手動で行く。

ちなみにTrain-Tech公式サイトから飛べるショップには在庫がある模様。
ただしHatton'sに比べて1割ほど高い。

到着する前に去年買ったものを実際に使ってみて使用感をレポート!
こちらがTrain-Tech PC2。

CDUを見るためにケースを開けようと思ったけどガッチリ止めるタイプで面倒なので諦め。

今回の組み合わせ。
コマンドステーション:z21
DCCの信号確認:DesktopStation DSwatch
ソレノイドポイントマシン1:Peco PL-11
ソレノイドポイントマシン2:Peco PL-10w
ソレノイドポイントマシン3:KATO 20-210 複線両渡りポイント

KATO 20-210 複線両渡りポイントは2線なのでDCC Concepts DCD-SDCで3線から変換。
3線から2線は詳しい人は自作できるそうなので買う必要なし。

DCCの電源を入れるとすぐにLEDが点く、Learn Buttonを押すとアドレス入力モード。
購入してすぐはアドレスは何も設定されていない模様。

デコーダのアドレス設定はDCC ConceptsやRocoなどほとんどのメーカーと同じ。
あらかじめコマンドステーション側でポイントを作っておいてアドレスも考えておく。
Learn Buttonを押すとアドレス入力モードに入るので、設定したいポイントを操作するだけ。


Learn Buttonを押しアドレス入力モードに入ってすぐはChannel-1のアドレスを基準に
順番に残りのチャンネルも自動でアドレス設定をするモード。
例えばCahnnel-1を128にすると、Channel-2は129、Channel-3は130、Channel-4は131。

個別にアドレスを設定したい場合はLearn Buttonでアドレス入力モードに入ったらまた
Learn Buttonを押す、するとチャンネルのLEDが順番に光るので光ったチャンネルのアドレスを入力する。

Channel-1が光ってる状態、ここでコマンドステーションのポイントを操作。
設定が完了するとアドレス入力モードは終了する。

もう一度Learn Buttonでアドレス入力モードに入りLearn Buttonを2度押せばChannel-2へ。

同様に3回押せばChannel-3。

4回押せばChannel-4。

アドレスの設定がDCC Conceptsなみに簡単。
DCC ConceptsはそれぞれのチャンネルにSetスイッチがあり、Setに切り替える事で
そのチャンネルのアドレスを設定できる。スイッチを戻さない限りずっと入力待ちになる。 
その代わりこのTrain-TechやRocoのように連番のアドレス入力は対応しない。
すべてのチャンネルをSetにして一括で同じアドレスにする事はできる。

次に試しにChannel-1だけで2個のポイントマシンを操作。まったく問題ない。

怒られそうな結線の仕方。

さらに3個のポイントマシンを同時。まったく問題なくパワフル。

怒られそうな結線。

1つ気になる点があるとすればレスポンス。

ソレノイドポイントマシン用のデコーダはパワーを稼ぐために大型のCDUを積んでる。
CDUはCapacitor Discharge Unitの略だけど普通にキャパシタ。
このCDUにチャージする時間をデコーダ側で決めているようで連続使用に制限を設けてる。

DCC Conceptsの場合連続で操作はできるけどチャージが間に合わず切り替わらない。
その点Train-Techはチャージを勝手に待ってくれるので間違いがない。
その代わりレスポンスが若干遅くなってる。

最後にツイッターにアップした動作確認動画。


追記20.03.27:
メモリー機能があるかテストしていなかったので追加でテストすると問題なくメモリーしていた。
電源オフして次回起動時にコマンドステーション側の分岐方向と合っていなくても覚えてくれているので逆転する事がない。
DCC Conceptsの初期のソレノイドデコーダはメモリー機能がなくて面倒だった。
2016年の時にやった方法はこちら、今考えると恐ろしく面倒な手順。
2016年5月17日火曜日「DCC用テストレイアウト制作4」


2020年3月17日火曜日

スピードマッチング RZTec SpeedBox&iTrain編

一連の流れを動画化したので追記


振り返り

私のスピードマッチングとの闘いは2016年鉄道模型を本格的に開始してすぐに始まった。
まずはこのブログの記事から振り返り。
2016年4月29日金曜日「Speed Matching その1」

機関車によって速度差がすごくて、これが製品の特長なのか設定の間違いなのか当時は理解できていなかった。

最初にやったのはz21によるマルチトラクション。
オーバルを走らせて細かく計測するもの。
160429A_0002.jpg

これでも全然揃わないのでどうしてか調べるとスピードテーブルの存在を知る。
CV_Rh1216.jpg
JMRIで見るとこんな感じ。
これが各機関車バラバラな事がわかった。

次にやったのがこちらの記事。
2016年5月8日日曜日「Speed Matching その2」

SPROG II v3とMTS-DCC Speedometerを使用してスピードステップの調整を自動化。
160508A_0000.jpg

しかし加減速やBackEMFをオフにしてもこのありさま。
160508A_0006.jpg

がったがたでMTS-DCC Speedometerで何度やっても同じ結果。
設定なのかスリップしてるかどうか答えが分からなかった。
NからH0に移行しようと決めた理由の1つだった。
2016年の段階では正直自分の限界で敗北。

「Speed Matching その1」でも書いているけど当時スピードマッチングは重連の多いアメリカに
情報があったのでそっちをベースに調べていた。
スピードテーブルを細かくいじっても苦労の割にぜんぜんマッチしない。

次はアメリカ型で多いAccutrack II Speedometerを使って手動でやってみようと思ったけど
結局スピードマッチングはやらなかった。
なぜならH0だとBackEMFのおかげで初期設定でもそこそこ重連できてしまうから。
大きいのは良い事だ。


しかし14日に届いたSpeedboxを知ってまたやって見ようと思った。
2020年3月16日月曜日「RZTec SpeedBoxが届く(日本初上陸)」

RZTec SpeedBox&iTrain&ECoSの接続

ここから本題、今回は RZTec SpeedBox。
そしてiTrainと言うDCCソフトウェアを使ってスピードマッチングする。

まずiTrainを選んだ理由は、本当はシェア1位で高機能なFreiwald Software Train Controllerが
良いと思うけどSpeedboxを使った自動化がGoldでしか出来ないので649ドル支払う必要あり。
今年バージョン5になったばかりのBerrosのiTrainはProで349ユーロ、Plusで269ユーロで安い。
そして調べるとサポートにだいぶ差があるそうでiTrainは絶賛されていた。
しかしまだ情報はTrain Controllerの方が圧倒的に多い。
どちらもトライアル期間があるけどiTrainは申請するとProが2ヶ月も使えるので勉強してみようと思う。

RZTec SpeedBoxに対応したソフトウェアは予定も含めて以下の4つ
Traincontroller 9 Gold
Win-Digipet from version 2018.1
iTrain from version 5
Railware is currently in preparation.

今回のシステム、iTrainでECoSとSpeedboxをInterfaceに登録し一括コントロール。
機関車はÖBB RCA VectronとČD EC Vectron。

RZTec SpeedBoxは私が購入してからディスプレイのないLite版が発売された。
スタンドアローンでも使えるけど主にPCと接続するので画面も見難いし確かにいらない。

iTrainとECoSの接続はLAN経由、ラグは一切ない。

iTrainはまだ車両部分しか触っていないけどJAVAが必要なのがJMRIと同じでちょっと面倒。
そのかわりMacを含む様々なプラットホームで使える。

セットアップ

RZTec SpeedBoxを使ったスピードマッチングの基本は単純。
SpeedBoxソフトウェアを使ってDCCの基本CV値であるV-max=CV5 V-mid=CV6を
スケールスピードと合わせる事から始める。
そしてスピードマッチングする場合は各スピードステップのスケールスピードをDCCコントロール
ソフトウェアで記録しDCCコントロールソフトウェアのステップではなくスケールスピードで
コントロールすると言う物。

最初に書いたアメリカ型とやり方が違う、各機関車のスピードステップを変更してマッチングするのではなく
V-maxで最大電圧=最高速度(オプションで中間)を決めてからマッチングはソフトウェアに任せてしまう。

コストはかかるけどこちらの方が確かに良い。
まず個別のスピードステップの調整は苦労する割にまともな結果はなかなか得られない。
最高速度をちゃんとスケールスピードで計測する事で基準になる。
そこから細かい調整はソフトウェアでやれば手間が大幅にはぶけるだけでなく、ソフトウェア上の
走行タイミングのシミュレーションも正確になる。

まず準備としてデコーダ側の加減速の設定を切る。
加減速がそのままでもいいけど計測に距離も時間も必要になるので切っちゃった方が良い。
CV3とCV4は0にしてしまう、もちろん元の値はメモしておく。
ちなみにBackEMFも切った方が良いけどH0だと大差ないかもしれない。

スピードステップと加減速についてはYaasanさんのブログが詳しい。
2015年01月11日 DCCの速度ステップと、滑らかな加減速問題

V-maxのスケールスピード測定

SpeedBoxとUSB接続しドライバを入れ専用ソフトを起動した所。
これが基本画面で分かり難いけど入力できるのはCV5とV-maxの所。
まずここに現在のCV5の値と希望の最高速度をV-maxに入力する。

今回はECoSを使ってCV値を読む、CV5は150。


右のCV5に150、V-max最高速度はRailjetやICEに合わせても良かったけど230kmや250kmって
模型だとかなり早いので相当大きなレイアウトじゃないと怖い。
とは言え将来的に大きなレイアウトになる可能性も踏まえてわかりやすい200kmにした。

CV値とV-maxを入力したらコントローラーを最大にしてSpeedboxを通過させる。


すると259.1km、CV5の値を127に変更するように教えてくれる。

ECoSで127に設定。


すると168.6kmで遅すぎる、143に設定するように言ってくる。

またECoSでCV値を変更して、徐々に精度をあげていく。

5回くらいで200.5kmになった、エラー見たいな言葉が出るけどこれでOK。

本当はDesired speed reached.と表示されるはず、日本語環境がいけないのかも。

CV6=中間速度も一応調整する、半分なのでV-midも半分の100kmにした。

コントローラーでもスロットルを半分でSpeedboxを通過させる。


CV6を丁度半分の100で99.9kmになった、この機関車でやる必要なかった。

iTrainで速度測定

次はiTrainに移って速度測定する。
この作業はTrain Controllerなどにもある機能なので基本的に同じはず。

iTrainでInterfaceにECoSとSpeedboxを登録してConnect。
ECoSの場合機関車情報はすべて自動で読み込まれる。

Speed measurementsを開いて計測する。
機関車は個体差あるけど前進、後退で速度差があるので両方計測する事にした。

自動とは言え全ステップすべて計測すると時間がかかりすぎるので2ステップ毎にする。
右クリックのメニューから「Select with step 2」を選ぶ。

すると1ステップ飛ばしで選択してくれる。

最初は最大速度から開始するので機関車をオーバルの反対側に配置させておく。
下のStartボタンを押して開始。

Speedboxを通過すると自動でiTrainのステップの所にスケールスピードが入力される。
通過後しばらくすると機関車は自動停止する。

そしてまた最大速度で後退し、自動で停止。これを各ステップ繰り返す。

96まで来た所。2ステップ毎なのでガタガタしてるけどこれでOK。

56まで来た所、全体を見ても直線でない事が分かる。

22まで来た所、90あたりからはまっすぐ。

計測終了、前後進2ステップ毎で約30分かかる。

Applyを押すと計測していない所は平均値を自動入力してなめらかにしてくれる。

次にiTrainで重連設定をしてテストしてみる。

結果は良好で100%同じと言うわけではないけど微妙な誤差で重連してもまったく問題なさそう。
BackEMFを切ったり全ステップ計測すれば完璧になるかもしれない。
どのみち計測前に数時間走行させて機械的に慣らしておいた方が良かった。

z21ソフトウェアのマルチトラクション設定も基本はこの方法なのでヨーロッパとアメリカで
考え方に違いがあるのが分かった。
ただしz21では単体でスケールスピードは測れないので基準を作る事が出来ない。
やはりあらかじめSpeedboxで計測する必要がある。

簡単な動画をツイッターにアップしたので埋め込み。

2020年3月16日月曜日

RZTec SpeedBoxが届く(日本初上陸)

こんなに良い製品が存在し、しかもまだ日本にないとは!
色彩について書いていてこちらを書く余裕がなかった、届いたのは昨日14日。

スケールスピードを測るデバイスはたくさんあるけど、ソフトウェアと連動して自動的に
スピードマッチするものはなかなかない。

最初は2016年の5月、こちらもこの時日本で使ってる人がいなかったSprogとMTS-DCC
そしてJMRIを使ったスピードマッチング。
2016年5月8日日曜日「Speed Matching その2」
160508A_0001.jpg

その後、他に使い始めた方が出てきて情報が増えるかと思った。
しかしMTS-DCCを作っていたBachrus.incが無くなってしまった…。

H0に移行してから仕方なく北米で一般的な手動マッチング用のスピードメーターを購入。
Accutrack II Speedometerは低価格で簡単、ただし日本型には非対応。
2018年4月11日水曜日「スケールスピードを見る」


鉄道模型を本格的に開始して4年目、まだまだアンテナを張る事を忘れない。
https://www.rztec.de/
バイエルン州ヘスルヴァングのおそらく個人でやってるRonnyさんが作る超優秀なスピードメーター。
RZTec SpeedBoxと言う製品を発見した。

何が優秀ってスケールスピードにあわせてターゲットのCV値が出る、それをちまちま打ち込んでも
いいけど、対応ソフトウェアを使うと全自動化できる。
つまりボタン1つで全車両同じスケールスピードに出来る。これはやるしかない!

しかし購入しようとしたら送付先をEU圏以外選べない。
そこでメールで問い合わせて見るとこんな返事が!

Besten Dank. Ronny!

問い合わせでこんなに喜んでもらえるとは!
私もうれしいのは
「日本で知ってもらえた事が光栄に思います」
「Sppedboxが日本に新しいうちを見つけて幸せです」
と!

しかしフォームで入力できないのでどうしたら良い?メールでやり取りでもOKと伝えると。
なんとEU圏にまじってJapanだけ追加してくれた!ありがとう!

EU圏以外だと日本でしか買えないフォームと言うのも誇らしい。
さて今回は購入記録なのでいつものトラッキングから。

金曜に頼んだので月曜に急ぎで発送してくれた。
今回はじめてのアシュハイムのパーセルセンターを経由。
たぶんコロナの影響もあって12日かかって到着。

追記:本日ドイツも国境を閉鎖しました、国際列車も停止です。
貨物だけは除外されてるそうですが人員は少ないはずです。

箱は小さく厳重!

しっかりとした梱包。

ミュンヘンから東へ66㎞、キームゼーから近い静かで素敵な場所から。

梱包がしっかりしている、感謝!

こんな感じの黒い箱。

USBで給電するだけでスタートする、専用ソフトウェアもあるので基本的にPCとつないで使う。


今夜はこれで遊んで使用感は明日ブログに書こう。楽しみだ。