5年ぶりに主力PCを更新
このブログではあまり書く事がないPC関係を今回は記録として残しておこうと思う。今まで2~3年周期で主力PCを更新していたけど、前回のIntelのXeonが微妙だしまだまだ現在使用中の
PCが優秀なのでそのまま5年目になってしまった。
新しいPCの中身、詳細は後ほど。
ざっくりおさらい
大学時代は学科的に99% Mac、大学内に大量に設置されていたし周りの学生も皆さん当然のようにMacを購入して勉強していた。
残り1%は私と大学内で埃をかぶっていたSilicon Graphicsのワークステーションって感じ。
当時学科は違うのに映像制作に没頭していてAutodeskの3dsmaxの学生版が安かった事もあって
周りの学生とは違うWindows NTが主力PCだった。
しかも当時からCPUを2つ積んでとにかくハイパワーを求めてたので高収入なバイトをして
あほみたいにCPUとメモリにつぎ込む生活。
今はMacでもCinema4DやMayaなど強力な3DCGソフトがあるけど移植されてる感は否めない。
今でも3DCGソフト界はWindowsがメイン。
3DCGソフト界と私の3DCGとPCの歴史は後半にまとめて書く事にして、まずはモンスターマシンの中身。
モンスターマシン到着
自作PCを作らなくなってから2台目、ここ7~8年ほどお世話になってるマウスコンピューターで購入。2~3年前から芸能人を使ったCMをバンバン打ってるので知っている人も多いはず。
パフォーマンスの割に軽い、前回の主力PCがSuperMicroのケースだったのでアルミになって軽くなった。
最高スペックだけど普通のPCと変わりない梱包。
クリエイターPCとして売っている商品だけど、自分のように棚に入れたり机の下に置いたり
する事を前提としてるのかキャスターや取っ手がついていて素晴らしい。
電源が下に付くタイプで取り回しがしやすい、ほんと良く出来ていてケースだけ売って欲しい。
カスタマイズする製品なので仕様表を見て間違いがないか確認。
1年365日中再起動以外常に起動しっぱなしになるので耐久性のないパーツがあると困る。
しかも出来るだけ時間を無駄にしたくない。保障はピックアップ付きにした。
CPUがIntel Core i9-9980XE、GPUがGeForce RTX2080Ti、メインメモリは128GB。
今回主力PC初のシングルCPU、なぜデュアルをやめたかは後述する。
目立つMSIのGeForce RTX2080Ti 。
昔フリーランスになりたての頃はQuadroを使っていたけど今はほとんど意味がないので
コンシューマー向けのGPUにしてる。
マザーボードもMSI製X299-S01で高級だけどサーバ向けのSuperMicroを使い続けて来た身としては
不安しかない。何年持ってくれるだろうか?
メインメモリはADATA製、チップは後で確認しようと思う。DDR4-2666 16GB x 8枚。
今回妥協したのはこの水冷ユニット、変更できたら空冷にしたかった。
サーバルームを作って常時冷房にしてるので耐久性を考えたら空冷の方がいい。
M.2のSSDが見当たらないと思ったら2080Tiの影に隠れていた。
Windows10を起動して中身の確認。前主力PCから論理プロセッサが4つ減った。
システムディスクにしてるM.2のSSDはIntel 660pなのでシーケンシャル1898MB/sしかでない。
それでもとんでもなく早いけど。作業用ディスクはHDD4台のRaid0で800MB/sほど出る。
V-rayと言うレンダラーをメインに使っているのでさっそくベンチマーク。
9980XE 定格でレンダリング中3.6Ghzで論理36コアすべて使ってくれた。結果は36秒。
ちなみに前主力PCの結果は66秒、CPUはXeonE5-2690v2デュアル3.3Ghz論理40コア。
5年も経つとシングルCPUでも1.8倍の速度、しかしこれでも遅い。
技術の進歩が若干停滞気味なので仕方がない。
試しにゲームのベンチマークを実行した所、Final Fantasy XV 高品質1920x1080で12811。
3DCG / デジタルコンテンツクリエーション(DCC)の歴史
実は3DCG業界もDCCと言われている。私が学生だった頃はまだハードはハリウッド映画などではSilicon Graphics社が主流でソフトも
XSIの前身Softimage社のSoftimage 3DやMAYAの前身Alias Research社のPowerAnimatorなどがメジャーだった。
Silicon Graphics社はのちにネットスケープを作った実業家ジム・クラークが作った会社。
当時このロゴに憧れた、実際仕事でも数年使用した。
OnyxではないけどIndigo2を使ってた記憶。
Silicon Graphics社は色々あったのちにAlias Research社とWavefront社を合併しAlias|Wavefront社を作る。
両社のソフトともハリウッド映画でよく使われていた事もあり当時最強最大の3DCGソフトウェア会社になった。
Silicon Graphics社全盛期、Autodesk社製品と言えばAutocadが有名で陰でこっそりDOSで
動く3D Studioと言う3DCGソフトがあった。
DOSだしハリウッド映画で使われる事もないし今では考えられないくらいマイナーだった。
―貴重なCoSA時代のAfter Effects、3D StudioやPowerAnimatorのパンフレット。
ネットもない高校時代はこうして情報を集めていた。ただのハイエンド映像オタク。
DCC界隈ではマイナーだったAutodesk社の3D Studioは私が大学に入った頃には進化し
WindowsNT専用の3D Studio Maxとしてデビュー。
その後の快進撃は恐ろしく欧米のゲーム業界で優位に立ち(日本は長らくSoftimageが主流だった)
ハリウッド映画でも使用されるようになる。
Alias|Wavefront社も負けてなくWavefront時代のThe Advanced VisualizerベースのMAYAを
WindowsNTでリリース。
Softimage社はSoftimage 3DをWindowsNTでリリースと3DCG業界は黄金時代に突入。
―高校時代憧れてたAMIGAとVideoToaster(Lightwave 3Dがおまけでついてる)
WindowsNT対応と各社書いてる事からも新世代に突入した事がわかる。
Silicon Graphicsは数千万~数億するマシンだったしUNIXだし、であっという間に衰退。
当時最強コンポジットソフトだったDiscreet Logic社のInfernoを除いてほとんどWindowsNTへ
プラットフォームを移行していった。
その後Silicon GraphicsもWindowsNTベースになったものの衰退。
―Silicon Graphics全盛期の頃のパンフレット。
高校時代本気でSilicon GraphicsとMacで映像制作したいと考えていた。
恐ろしい事にAutodeskは1998年Discreet Logic社を買収、コンポジット業界でも優位に立つ。
その後Alias|Wavefront社も2006年に買収、そして2008年にSoftimage社も買収。
3DCG黄金時代は終わりAutodesk1社独占時代が始まった。
今現在3DSMAXとMAYAは生き残ってるもののSoftimage XSIは2016年で終了してしまった。
―Discreet / Kinetixブランド時代の3dsmaxとプラグイン。
そんな歴史の中、私は3D Studio Maxの学生版(当時10万で買えた)を自費で購入。
大学ではMacで勉強をする傍ら独学で3DCGを勉強してた。
3年になると企業の協力でSilicon Graphics O2とSoftimage3Dが導入され勉強する事が出来た。
就職は厳しい時代だったけど3D Studio MaxとSoftimage 3Dを武器にあっさり就職。
しかも好待遇でヘッドハンティングされると言う幸運さ。
何となく使い始めた3DCGソフトの会社が今やトップ企業になっていると言う。
とは言え残念ながら3D Studio Maxはシェア1位に一度もなっていない。今も昔もMAYAが1位。
―3dsmax 9とCS2時代のAdobeの写真。
会社もやめてフリーランスになると更にハイパワーなマシンを求めた。
レンダーファームの役目も終え捨てる前のすべてデュアルCPUの主力PC達。
前々回までの主力PCはすべて自作PCだったので秋葉原へ行き1個20万以上するCPUを2個買って
マザーボードも10万以上のもので作っていた。
これが前主力PC、XeonE5-2690v2デュアル。初めて自作PCではなくショップへ依頼した。
なぜ自作PCをやめたかと言うと、サーバ向けマザーボードを作っているSuperMicroやハイエンドな
周辺機器を扱っていた秋葉原のUser's Sideと言うショップがなくなってしまったから。
とても信頼できるショップで交換対応もすぐにしてくれる素晴らしいショップだった。
そこの従業員がユニットコム傘下のパソコン工房でPC制作をすると聞いて依頼したのが上の写真の前主力PC。
5年間だだをこねる事なく、新主力PCがきても完璧に動作中。
次になぜ新主力PCはマウスコンピューターにしたかと言うと、近年のIntel Xeonは進歩のわりに
CPU自体のコストが上昇してるため。
だいたい同じラインナップではあるけど、5年も経つと全体的に1.5倍ほどの価格になった。
それなら大きなショップでコンシューマー向けのCore i9を複数買った方が安い。
と言うわけで今回サーバワークステーション向けのXeonではなくコンシューマー向けでは
かなりハイエンドなCore i9 9980XEのPCを購入した。
今回のPCの価格は税込み約80万、今までの主力PCとだいたい同じ価格に落ち着いた。
古くなった主力PCは毎回レンダーファームになってレンダリング時間短縮と言う重要な役割になる。
このサイクルを10数年やってきたけど今回は間があきすぎてしまった。
ちなみにMacもあるけど、MacMiniだしほぼFinalCut用。
追記:2007年のUser's Side社長のインタビューがとても良かったのでリンク
ITmedia PC USER 5年後の秋葉原を歩く 第3回:「自作PCに未来はない」 (1/3)
社長とは何度か会話をした事があって何度もこのショップに行きたくなる理由もそこにあった。
このインタビューは今頃になって読んだけど本当大変だったんだなと思う。
しかも今でも通じる内容、鉄道模型業界も似てるんじゃないだろうか。
特に高品質なものばかり扱っていたのでユーザーからは高いと思われてたと思うけど
私は学生時代から信頼していてずっと通っていた。
128GBってSSDの容量ね、なんて見ていたらRAMですか!!!!
返信削除1年少々前に更新した、昼間の会社のPCはCore i3, 4GB RAM(本当に1年前です!!しかもこれで20万円!)で、電気回路シミュレーションをやってますが、本当に泣いてます。社内の○ソシステム会社の収益になっており、本当に苛立ちが絶えない職場になっております。
昼間の会社の愚痴は置いておいて、弊社のPCも今年、更新を予定しており、あえてAMDに突っ走ろうと思っております!私もNardiさんのように、中学生から自作PC野郎で秋葉に通い詰めてました。さすがにRAM128GBは使いませんが、16GBは付けておきたいと思います。
ちなみに、液晶やキーボード、マウスにはこだわりはどうでしょうか?液晶はIPSじゃないとダメとか、ナナオだったりするのでしょうか??
Yaasanさん、こんにちは!
削除前の主力PCを買うまでRAMは64GBで十分かと思っていましたが結局数年前から足りなくなってきました(笑)
Windows10で4GBはないですよね~!
最低でも8GBないとOSでいっぱいいっぱい、スワップしまくりですよね。
おまけに20万って何年前だって話ですよ、持ち込み禁止を良い事にグループ会社の利益にしてるわけですか。
Ryzen良いですよね!私がINTELにこだわる理由は実は3DCGソフトのプロシージャルテクスチャの生成にあります。
メーカーが変わると若干結果が変わるんですよね、よくわかりませんが浮動小数点の扱いがどうとかこうとか。
Ryzenでメモリ16GBなら普通にゲーミングPCですもんね、超快適そうです!
私もいまでもたまにふらっと歩いてCPUの価格調査をしたい衝動に駆られます。
ネットのせいでほんと秋葉原は行かなくなってしまいましたが今でもその楽しさは忘れてません。
メインのモニターですがずばりナナオです!とは言えそこまでクリエイター向けでもなくコンシューマー向けで最上位のものです。
メインはゲームをするわけではないのでIPSにしていますが、ゲーム用に高速なVAパネルのものもあります。
昔はTNパネルが画質は悪くても最速でしたね!
メインは2560 x 1440を横に2枚並べてますが、さらに1920 x 1080を2枚上に並べてます。
たしか一度実際に見たかもしれませんね。
キーボードマウスも拘りがあります!
キーボードはCherry製MXスイッチ黒軸でゲーム向けのものです、良く買い替えるのでメーカーは色々ですが今はCoolerMasterが出していたCMSTORM QuickFire Proです。
マウスはLogicoolのG502を現在使用してます。
パッと見はプロゲーマーかな?っていう見た目です(笑)
らすと~ぶさん、おはようございます!
返信削除まさかIndyがご自宅にあったなんて!起動とシャットダウンの音楽が良いんですよね。
そしてIRIX版のAutocadあったんですね。
MIPSの時代はあっという間に衰退してしまいましたね、確かにレアなマシンなので勿体なかったですね。
私はIndigo2とSoftimage3Dで仕事をしていた時期がありましたが、まったくIRIXについて分かりませんでした。
UNIXのコマンドの本は買って勉強しましたが、すでにIndigo2と一緒に使っていたWindowsNTがOpenGLも強い時代で時代遅れ感が凄かったです。