The Nameless City: Intel VROCで爆速SSDドライブ追加

2019年4月28日日曜日

Intel VROCで爆速SSDドライブ追加

先週あたまに鬼忙しい数ヵ月が終わり、ようやく模型いじり再開と行きたいところだったけど
その前にクライアントが休みがちなGWを使って主力PCをセットアップして完全に入れ替える事にした。
そしてVROCの設定に注意点があったのでメモすることにした。

前回の記事

まずやらなければならないのはメイン作業ドライブのRAID-0設定。
RAIDは複数のドライブをまとめて分散して読み書きさせたり、同時に同じものを書き込む。
それぞれRAIDレベルで表現されて主に0~5、または0と1を組み合わせたものがある。

私の場合仕事で扱うデータサイズが大きく1プロジェクトにつき数テラバイト行く上に高速で
読み書きする必要があるためRAID-0(ストライピング)のドライブをずっと使用していた。
今はシーケンシャルリード500MB/sくらいのRAID-0の8TB、4年ほど使用してきたので
PC買い替えと共にドライブも新しくする。

残念なことにHGSTはWestern Digitalに買収されてからコンシューマー向けのDeskstarをなくして
エンタープライズ向けのUltrastarのみ残ることになった。
RAID-0は冗長性も耐障害性もないうえにフル稼働するのでHDDにとってかなり過酷。
私は信頼性の高いHGST以外使わないのでUltrastarのみになるとコストの面で厳しくなった。

今回仕方なくWestern DigitalになったUltrastar2TBを4台使ったRAID-0を作った。
HDDはRAIDコントローラからSFF-8088マルチレーンケーブルで接続された外付けケースに入れてる。
無事シーケンシャルリード約800MB達成、とは言え所詮HDDなので8TBちかく使い切ると徐々に遅くなる。

これでも十分良いけど、最近NVMe SSDが安くなってきたので思い切ってVROCにチャレンジする事にした。
VROCはIntelのVirtual RAID on CPUでPCI-E直結のCPU負荷をほとんどかけないRAIDシステム。
しかもIntelのSSDじゃないと本領を発揮しない。
RAID-0以外のRAIDにする場合はハードウェアキーが必要で対応マザーボードも必要。

そもそも私の購入したマウスコンピューターのマシンはチップセットがX299とは言え対応してるのだろうか?


X299-S01は一般販売されていないMSIのマザーボードだけど調べるとX299-RAIDERっぽい。
マニュアルを見てみるとVROC用のキーを刺すコネクタもちゃんとついてる。

次にPCI-Eの帯域をチェック。
私はSLIにはしないのでPCI-E3のx16が空いている、この帯域の場所へ刺せば最速になるはず。

ちなみにNVMeを2スロット目に追加したので条件をマニュアルで見てみる。
SATA 5~8が犠牲になるけどまったく問題ない。

購入したNVMe SSD Intel 760p 1TBが4本、そしてASRockのUltra Quad M.2 Cardを使う。
1TBが4本だと4TBも行かないけど1プロジェクトで4TB越える仕事は年に2回くらいなので
これをメインドライブにする事にする。

Ultra Quad M.2 Cardは低価格だけどヒートシンクにSSDが接触するようになっていて素晴らしい!

上からGeForce RTX 2080Ti、ArecaのRAIDコントローラ、Ultra Quad M.2 Card。

まずそのままでは認識しないのでマザーボードのUEFIの設定画面でPCI-E3スロットのVROCを有効する。

そのままUEFIの画面でRAIDボリュームを作成できる。

つぎにラピッド・ストレージ・テクノロジーエンタープライズ=RSTeをインストールする。
最初IntelのサイトでX299用のドライバを探したけど見つからない。
どうもX299用は各マザーボードメーカーから落とす必要があるようだ。
MSIのサイトからX299-S01はないのでX299-RAIDERのドライバをダウンロードしてインストール。

CrystalDiskMarkの結果、シーケンシャルリードは10869MB/s、ライトも6316MB/s行った。
しかも容量いっぱい近くなってもHDDのように速度低下しない。

HDDのRAIDから30GBのデータが約40秒でコピーできた。
これでさらに仕事が捗る、仕事が捗れば儲けも増える、儲けが増えれば模型が増える。
寝る時間は減るけど。

今回でRAID構築も6回目くらい、コストはかかったけど快適な環境になった。
今回の主力PCはシステムもSSDだし、メインドライブもSSD。
SSDはHDDに対して寿命が半分かそれ以下しかないので2年後には全部交換する予定。




2 件のコメント:

  1. 素晴らしい環境ですね!

    このSSD、TLCということでちょっとビックリですが、今はTLCでもこんなに速いんですね。最近流行りの、SLCやMLC・TLCを切り替えできるタイプのSSDなんでしょうか??容量は減りますが、SLCにすればさらに読み書きは速くなり、寿命の延びるところではありますが・・・でも、テラクラスのデータを扱うなら仕方ないですよね!

    2年後には3D NAND技術も進歩しているでしょうから(この前の半導体学会の発表でも各社からどんどん進化する技術が出てました)、買い換えてどんどん高速化するのが、これから仕事をサクサク進めるコツになりそうですね。常に最高の環境で、最高のクオリティの仕事をする、本当に重要なところです。

    Nardiさんの仕事の仕方のユニークなところは、こういったPC環境構築も自分で自在に組めるからだと本当に思います!よくあるような、その辺の業者任せだったら絶対に、ここまでサクサクできないですし、かかるコストも目玉が飛び出るくらい莫大でしょう!!

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    1. Yaasanさん、こんばんは!

      ありがとうございます!
      正直ここまでクリエイターがクリエイター目線でハードを揃えてる人は少ないと思います。
      Mac買っておけばいいやって人が大半です。
      業者でもクリエイター向けは嫌がって作らないかと思います。
      まさに自分による自分のための環境です。これがたった100万で揃うんですから安いものです。
      私の仕事のスタイルでもありますがいかにストレスをなくすかにコストをかけています。
      PCもそうですが、ワーキングチェアなどもそうです。
      もうどこかの会社に勤める事はできない体になってしまいました(笑)

      SSDですが実は私もTLCやQLCが今はコンシューマーレベル用だと知ったのは最近でした。
      今回TLCのSSDをRAIDにしようと決めた理由がGoogleのデータセンターの5年に及ぶサンプリングの記事を見たことです。
      その記事によるとHDDとMLCのSSDの5年間の故障率が大差ないという事でした。
      私もSLC以外は壊れやすいと認識していたので驚きです。
      そしてINTEL製のTLCやQLCは高価ですが更に故障率が低いらしくHDDほどではないにしろ一般的なSSDよりは良いという結果がでてるようです。
      INTELのSSDが早いのはコントローラの性能のおかげのようですね。

      今はSLCはコンシューマーレベルでは販売されていません、売ってるものも数GBと小さいものだけです。
      1TBになるとTLC以上でないとコンパクトかつ低価格にできないようです。
      MLCですら最近は少ないんですよね。

      まさに2年後の3D NAND技術に期待しています!寿命もどんどん延びてくれればこちらとしてもありがたい。
      HGSTが亡きいまコストはかかるけどSSDの進化にかけています。


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