The Nameless City: DCC車両の動力に関するメモ

2016年6月14日火曜日

DCC車両の動力に関するメモ

この記事も加筆・修正の可能性あり。(2016.06.23追記)

6月7日の記事で交流と直流制御の違いを動画にしたけど、俯瞰で見た違いでしかない。
今回はもう少し突っ込んで鉄道模型の世界を自分なりにおさらい。

注意:自分は美術系の大学出で電気の世界とは遠い存在でした。
電気に詳しい方には退屈な内容ですし、読まれる方は真に受けずに参考程度にお願いします。
(毎回書いてますが、間違いの指摘、ツッコミは大歓迎です)

前回の記事でも書いたけどFrog Juicerの動作を見ていて沸いてくる数々の疑問。
そもそも電流とは?電子とは?すべては粒であり波でもある。
シュレーディンガーの猫状態な自分を少しでもはっきりさせたい。
電気に関して「小学校からやり直せ!」と声が聞こえくるので最近基礎から勉強してる。
もちろん鉄道模型を楽しむのに関係はあるけど、知らなくてもまったく問題ない。

これも必要ないけど、モーターの原理からはじめる。

直流モーター(ブラシあり)
・磁石でコイルを挟み磁界から力を得る(フレミングの左手の法則)
・挟むだけではコイルのプラスとマイナスが逆転し行ったり来たりしてしまう
・整流子とブラシを使って電流を流し、同じ方向へ回るようにする
Electric_motor_150px.gif
引用元:Wikipedia 整流子電動機より

交流モーター(誘導モーター)
・磁石で回転磁界を作り、回転子がまわる(アラゴーの円板)
・交流の位相を利用し回転させる
以下の図は三相回転磁界
3phase-rmf-noadd-60f-airopt.gif3-phase_magnetic_field.jpg
引用元:Wikipedia 誘導電動機 回転磁界 より

直流モーター(ブラシあり)は制御がしやすい利点があるがブラシが
接触しているためメンテが必要。(鉄道模型のように小さければほとんど必要ない)
交流モーターはブラシもなく耐久性にすぐれるが逆に制御が難しい。

という事だけど、交流モーターってこういう物と知らなかった。
実際の鉄道のモーターの制御も色々勉強してて楽しいけど今回は無視。
他にDCブラシレスモーターもあるけどこれも無視。

鉄道模型のモーターの主流は直流モーター。
交流三線式のメルクリンも現在デジタル化に伴い直流モーターが主流。
メルクリンが交流モーターを使用していた時、進行方向を反転させるために逆転器というのを
用いていた、最初は模型の所まで行きスイッチを切り替えていたがその後電圧をあげて
スイッチが切り替える事ができるようになり遠隔で進行方向が変えられるようになったそうだ。
Reverse Relayで検索するとオールドメルクリン用にeBayで取引されているのが分かる。

現在メルクリンはデジタル化し交流にデータを乗せデコーダへ命令を送りつつ
直流に変換する。命令を受けたデコーダがパワーパックの役割もしてモーターを駆動する。
これについてはDCCもまったく同じ考え方で、言葉(プロトコル)が違うだけ。
ヨーロッパの製品ではメルクリンとDCCに両対応してる事が多い。
両対応という事からYaasan 様にコメントでHOならレールを安定のメルクリンにし
三線対応のシュー付きのACモデルを揃えた方が良いと教えて頂きました。
コマンドステーションからデコーダ別にDCCかメルクリン/モトローラか選ぶ事も出来て
同じレールで併存できるという事です。

確かに出来る事は同じでCV値を選択しオンオフの命令を送るという単純な命令なので
併存しても問題ない気がする。

そして自分が最大に疑問に思っていた所が、交流を直流にどのようにして変えるのか
と言う問題、前々から疑問に思っていたけどFrog Juicerの実験でより詳しく知る必要が
あると思い始めた。
リアル知り合いであるデキさんからこういう物があるよと手書きメモと解説を
6月5日に見せてもらった。
BridgeCircuit_Dechi.jpg
ブリッジ整流回路図 by デキさん

交流はプラスとマイナスが交互にやって来る波なのに、どのように直流に出来るのか?
と言う疑問がいとも簡単に解けてしまった。
ダイオードが一方にしか電流を流さないと言うのは知っていたので、4つのダイオードで
構成されたブリッジ整流回路が交流の波を整流し直流に出来るのだった。
清書したものがこちら
BridgeCircuit.jpg
これが前々から書きたかったブリッジ整流回路

ブリッジ回路自体様々な用途があるそうで、電気関連の仕事をしている方なら当然のもの
らしいのですが、自分にとっては新鮮かつ驚きの回路だった。
鉄道模型ではこれに様々な制御が組み合わされるため、単純なブリッジ整流回路ではなく
ブリッジドライバでモーターが駆動される。
(2016.06.23追記:正しくはHブリッジ / S.やくも様ありがとうございます!)
これについても教えてもらったけどMOSやFETと言う専門用語が出るので今回は無視。

ブリッジ整流回路から分かるのは、DCCで2本のレールどちらに交流のHOTを持ってくるか
自由な事。メルクリンならセンターとその他2本どちらか。
そしてリバースなどで反転しても直流には影響ないこと。
自分はここが頭のなかでしっくり来ていなかったのでブリッジ整流回路は良い勉強になった。

(2016.06.22追記)
S.やくも様にコメントで直流でも室内灯にブリッジダイオードを使用していると教えて
頂きました。ありがとうございます!
言われてみれば確かに、必要なシチュエーションは交直関係なくたくさんあるんですね。

8 件のコメント:

  1. Nardiさん、おはようございます。
    ��そしてリバースなどで反転しても直流には影響ないこと。
    そうなのか!
    これは知らなかったです。
    これなら整流さんの考えで正解ではないですか?
    換気扇のモーターがコンセントを逆刺ししても回転が変わらないのと似たようなものですね。
    これで全ての実験動画の辻褄合いました。
    良かった、良かった!って思うのですが、Nardiさんはまだもやもやがあるのですか?

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  2. >親爺ぃ様
    いつもコメントありがとうございます!
    >これなら整流さんの考えで正解ではないですか?
    はい、正解です。そしてご理解頂けてうれしいです!
    何度かブリッジ整流回路についてはコメント欄で書いてきましたが
    自分も6月5日の段階でしっくりきて理解できていたんです。
    >Nardiさんはまだもやもやがあるのですか?
    おっしゃる通りもやもやがあるのは交流と言うか電子が波であるという
    所です。電子という粒が動くわけではないので、特に交流は動いては
    見えないんです。恐ろしい話です。これについては見てもらって話を
    聞くまで考察はしない事にしています。
    ひょっとしたらオシロスコープが必要かもしれません。
    もしくは分からないかもしれません。物性物理学の世界です。
    ここまで振る舞いが理解出来ていればFrog Juicerの働きについては
    問題ないですからね。

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  3. もやもやが深すぎて、親爺ぃには手に負えません。(笑)

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  4. >親爺ぃ様
    でもHOTとCOLDに関係があるので分かり次第お伝えします!

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  5. 初めまして。
    ブリッジダイオードは直流でもメーカー製LED室内灯には向きに関わらず極性を統一させるために積んであります。そのままDCCでも使用可能です。(点きっぱなしですが)
    DCCデコーダーも、モーターを駆動させるブリッジドライバ(正しくはHブリッジ)も、その動作に直流が必要なためブリッジダイオードが組み込まれています。(Hブリッジはデコーダーへ組み込まれているので一般に使うには考慮する必要はありませんが)
    ちなみに電気でHOTの対義語はGND(Grand グランド)です。鉄道模型程度では大丈夫ですが、地面(グランド)に足がついた状態でHOTへのお触りは感電するので厳禁です。

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  6. >S.やくも様
    コメントありがとうございます!
    なるほど!直流だとプラスマイナスが進行方向で変わるため
    常に光るにはHブリッジが必要なんですね。
    感電も他の方に注意されました、19Vだとほんとかわいいものですね。

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  7. ブリッジダイオードとHブリッジは全くの別物です。
    ブリッジダイオードはダイオードをブリッジ状につないだ整流回路、
    Hブリッジはトランジスタをブリッジ状につないだ駆動回路です。
    混乱が見られるようでしたので、失礼しました。
    ちなみに感電の原理についてググっていただければ、電位の概念が理解できるかもしれません。

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  8. >S.やくも様
    コメントありがとうございます!
    ご指摘、説明ありがとうございます!
    ブログには少しMOSFETという言葉を書いただけなのですが
    Hブリッジ回路についても詳しい方に聞いていて漠然とですが違う事は
    理解しております。(デコーダはHブリッジですよね?)
    さすがに自分の理解できる範囲ではブログに書いては行けないと
    思い省略しました。
    自分だけではダイオードの振る舞いを理解するのがやっとでトランジスターは
    今度その方に直接あってFrog Juicerとともに講義を受ける予定です。
    ご指摘頂いてる部分に関して今後追加修正するかもしれません。
    需要なさそうですけどね・・・。

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