The Nameless City: 鉄道模型の多様性1
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2018年8月19日日曜日

鉄道模型の多様性1

今回は備忘録ではなく鉄道模型の多様性についての紹介投稿です。
間違いや指摘があれば更新していきます。

鉄道模型の多様性と書くとスケールやゲージが真っ先に頭に浮かぶと思いますが
まずはヨーロッパの多種多様な鉄道模型を紹介します。

最初に世界の鉄道模型の歴史とも大きく関係してくるメルクリン(Märklin)の存在について。
ヨーロッパ鉄道模型シェア1位のメルクリンは19世紀末から鉄道模型を作っていて
現在の国際的なゲージの規格の元となる1番以上のゲージや0ゲージを世に出していました。
20世紀に入ると交流3線式のH0ゲージ鉄道模型を作り始めます。
多くの鉄道模型会社が直流2線式で参入するなか交流3線式を現在まで貫き通しています。

ここで2線式レールと3線式レールの比較。
まずはKATOのユニトラック(H0)2線式。日本のNゲージもこの方式。

次がメルクリンの3線式。レールとレールのあいだに突起があり、これをセンターレールと言います。
このセンターレールをシューと言われる板が通る事で集電します。
3線式のポイントってどうなっているの?と言う疑問のあるかたはこちらの投稿を御覧ください。
2017年4月4日火曜日「K-Gleisの対策いろいろまとめ」
3線式の利点はここでは関係ないので最後に書きます。

メルクリン以外の多くの会社は直流2線式なためメルクリンと互換性がありませんでした。
時代が変わり1980年代に入るとメルクリンはデジタルへと舵を切ります。
メルクリンデジタルの元となるMotorola packet formatに携わっていたBernd Lenz氏は1980年代後半に
DCC(Digital Command Control)システムを開発します。
DCCは1993年にNMRA(全米鉄道模型協会)により標準化され各メーカーが採用しています。
面白いのはアナログ2線式では直流だったけどデジタル化して交流になった所です。
2線式と3線式の違いはあれどどちらのデジタルシステムも交流を使うようになりました。

参照元:

こうしてヨーロッパではデジタルへの移行が進みシェア1位のメルクリンのデジタルシステムと
その他メーカーのデジタルシステムが広まりますが交流を使うと言う共通点やパケットでの
やり取りなどおそらくLenz氏のおかげで似たようなシステムになった事でメーカーもそれぞれに
対応した製品を作れるようになります。

現在ヨーロッパのメーカーが作る鉄道模型は大きく分けて3種類あります。

・直流2線式アナログ
・交流2線式デジタル(DCC)
・交流3線式デジタル(メルクリンデジタル:現在はmfxでDCCでも動作可)

ここでちょっと戸惑うのがメーカーやショップでは2線式をアナログ、デジタル問わず
DC(直流)、そして3線式をAC(交流)と表記している点です。

こちらはModellbahnshop Lippeの表示。
同じ製品でもDCがアナログとデジタル2種類、ACがデジタル1種類である事が分かります。

歴史を考えれば売り方としてDCとACと分かりやすく2種類に分けられていたのでしょうが
どちらもデジタルになった事によって2線式でもACなのになぜDC?と言う状態になっています。
これはユーザー側がそう言う物だと理解するしかありません。
DCの機関車には(ACだけど)DCCの機関車もあると言う事になります。

たいていの製品にはデジタルサウンド付きなど書いてあるので分かりやすいと思います。
メルクリンは現在アナログ3線式を作っていないのでデジタルしかありません。
あとデジタルだからと言って必ずしもサウンドが付いているとは限りません。

デジタルはすべて交流ですがデコーダと言われる車両に搭載される小さなコンピュータが
直流へ変換してモータやライトなどを駆動するのでベースとなる車両は直流のアナログと共有できます。
そのため直流2線式のアナログの車両を購入しても後々デジタルに変更する事が容易です。
現在各メーカーは必ずと言っていいほどこの3タイプを発売します。
そしてメーカーによってはサウンド付きデコーダを別売りにしてアナログからサウンド付きデジタルへ
簡単に移行できるようにしています。
またデコーダ単体でも種類が多く存在し、ユーザーは自分で好きなサウンドを組み込んだり
サウンドの鳴るタイミングやライトなどの設定を簡単に変更ができます。

かつてはデジタルも多種多様で混沌としていた時代もあったようですが現在は大きくDCCと
メルクリンデジタルの2種類が存在しています。
(KATOも1980年代に独自でデジタルを進めていましたが現在はDigitraxに頼っています)

さらにヨーロッパではこの3種類に加え複数のゲージが存在します。
しかもメルクリンのZゲージを除くすべてのゲージにデジタルが存在します。

とくに1番ゲージなど大型になると蒸気機関車ではサウンドと共にギミック満載です。
実際はパラフィンを使った疑似蒸気ですがその迫力は凄まじいです。
伝わりにくいと思いますが私の所有する1番ゲージKM1のBR18と他のスケールの比較動画です。


迫力は少し落ちますがH0ゲージでもデジタルによるギミックが多いのが特徴です。
サウンドやスモークはもちろん、ブレーキ時のスパーク、カーブでは自動でフランジの軋む音
そして自動昇降パンタグラフなど以下の動画でご覧いただけます。


そしてデジタルの特徴の1つでもあるカプラーの遠隔操作も大きな魅力です。
こちらの動画ではカプラーを遠隔操作して貨車の入れ替えをしています。

Nゲージではギミックは減りますが迫力のあるサウンドが楽しめます。
こちらはGutさんの動画になります。


こちらはInterEX (zugbox9006)さんの動画です。

このようにヨーロッパ型の鉄道模型は多様性があり豊かなラインナップがある事が分かると思います。
加えてスターターセットもアナログからデジタル、自動運転まで楽しめるセットまで存在します。
ユーザーに豊富な選択肢が与えられ、幅広い層に受け入れられているのがわかります。
アナログでも十分楽しめる環境が整っていますし、あとでデジタルへ移行するのも簡単です。

日本型では残念ながらここまで多様性がありません。
ここから私が無理やり日本型のデジタル化にチャレンジした様子です。

デジタルと言うと自動運転のためにあると思うかたがいらっしゃいますが、自動運転はデジタルの
特徴のひとつでしかありません。
純国産コマンドステーションDesktop Stationを使った自動運転デモです。

この自動運転デモでは日本型Nゲージの鉄道模型をデジタル化しています。
KATOの車両はDCCフレンドリーと言うヨーロッパ型に近い後付け出来るデコーダが用意されています。
しかしTOMIXの車両は大改造が必要で工作が苦手な人には向きません。
私のような初心者が日本型Nゲージをデジタル化するとこの程度が限界でサウンドまでは
なかなか手が出しにくいものです。

H0(16番)であれば私でも既製品を組み合わせて何とかサウンド付きデジタル仕様にできました。
しかしデコーダ用の端子が用意されてるとは言えライトへの配線は自作する必要がありました。


工作が得意な方だとキットから制作してデジタル化しサウンドを組み込まれる方もいらっしゃいます。
KUMAさんのサウンド付きシェイとDesktop Stationを使った自動シャトル運転デモです。

最後に話しが戻りますが3線式の利点についてです。
詳しくは「風のおひるね 鉄道王国」さんで説明されていますが、少し情報が古いのと
メルクリンだけで完結していればと言う話も多いです。

3線式の利点は
・ポイントのフログやリバース線での極性反転の必要がない
・レールが少し汚れているくらいでは走行に問題が起きない
逆に欠点は
・センターレールの見た目が良くない
・センターレール用集電用のシューが必ず必要
・室内灯を付けるには全車両シューを付けるか、通電カプラーが必要

欠点も多いですが世界最大の鉄道模型テーマパーク「ミニチュアワンダーランド」では
ほとんどが3線式で作られているなどメンテナンス重視で考えられています。
汚れに強いと言うのは最大のメリットかもしれませんがスパークで汚れないわけではありません。

実は私は3線式レールを採用していますがメルクリンの車両以外はすべてDCCで制御しています。
つまりメルクリンデジタルとDCCが共存している環境だと言う事です。
こうした多様性を受け入れられるのもヨーロッパ型の特徴です。

関連記事:
2018年5月21日月曜日「鉄道模型の楽しさを伝えると言う事」



4 件のコメント:

  1. おはようございます。

    メルクリンとDCCが共存している環境、良いですね。
    きこりさんもいずれそうして行くことを仰っていました。Nardiさん所有のRheingold1928や入れ換え用の自動カプラー付き機関車もすでに導入しているとの事で私もじっとしている訳にはいきません。
    ところでNightjetの付属しているループカプラーの品質は今一でしたか?ROCOのクローズカプラーに変更しようと考えています。あと既製品室内灯で簡単に装着出来るものってありますか?2両分の集電シューが付いてますが、テールライト用なんでしょうか?

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    返信
    1. JR浜松さん、おはようございます!

      きこりさんもうそこまで揃えていらっしゃるんですね!
      しかも2999セット限定のRheingold1928もですか。

      NightjetのカプラーですがすべてRocoのクローズカプラーにしてしまいました!
      室内灯を今後つけた際はViessmannの通電カプラーにするため、バッファーロッキングの可能性なども見るためです。
      なので最初から付属のループカプラーは全く見てません(笑)

      ハンダ付けは必要ですが市販の室内灯は間違えなくESUのデコーダ付き室内灯が良いと思います!
      Viessmannなども同じ事が出来ますがLokProgrammerがあると設定が簡単です!
      こちらの記事も参考にしてみてください。
      https://www.namelesscity.tokyo/2018/01/esu-pullman-eilzugwagen-g3637.html

      付属のシューは少ないのでおっしゃる通りテール用だと思います、昔LSmodelsは室内灯キットを出していたのですが今は存在しないようです。
      Lippeに汎用性のある集電シューがありますので自分で加工する必要があります。
      https://www.modellbahnshop-lippe.com/produkt/Sch%C3%B6nwitz/181-4-0-276348-001005002-0-0-0-0-0-0-grp-gb-p-0/ein_produkt.html
      こういうやつですね。
      最近私は自分でこれを作っています。

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  2. 多様性、ほんと、それですよね。
    そして、日本人の苦手な部分なのかもしれませんね。
    KATOにしろTOMIXにしろ、他社と距離を置いて自社製品への囲い込みが随所に見られるのは非常に残念です。
    実際のところユーザーは大手2社の戦略に翻弄され、そこから自由になるためあの手この手の改良を施しながら遊んでいる姿をよく見かけます。
    その手間を別のところに向けたら日本の鉄道模型はもっと盛り上がるんじゃないかと昔から感じていました。

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    1. まさにGutさんのおっしゃる
      「ユーザーは大手2社の戦略に翻弄され、そこから自由になるためあの手この手の改良を施しながら遊んでいる姿」
      ここがポイントですね。
      去年夏頃からブログ村と言う所に登録して色々な方のブログを拝見させて頂いてますがまさにそんな感じに思えます。

      大手2社は暖簾に胡坐をかいている状態が心地良いんでしょうね。
      そんななかロクハンは赤字覚悟ですごいと思います。
      DesktopStationのYaasanさんが日本型鉄道模型はロクハンに絞って行くと言っていましたが私も賛成で動画的に人気のある車種以外は買わないで行こうかなと思っています。

      日本ではコレクターも多そうですし、走らせたいけどレンタルレイアウトにも行けないと言うかたも多そうです。
      ESUなどギミック満載な車両ひとつでもあればテーブルの上だけでもそれなりに楽しめると思うのですが、ESUのような車両を日本のメーカーが出すとは思えません。
      そもそも日本のメーカーはESUの車両なんて見た事なさそうですね。
      結局それなりに売れてしまう日本のメーカーはこれからも井の中の蛙なのかもしれません。

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