The Nameless City: 写真で見る日本型H0/16番と欧州型H0鉄道模型

2019年1月7日月曜日

写真で見る日本型H0/16番と欧州型H0鉄道模型

はじめに

前回のパーツ取り付けからの続き。はじめにいくつかお断りから。

今回の投稿は模型の優劣をつけたい訳ではありません。
購入額も書こうと思います、価格相応に思うかどうかは所有してみて初めてわかる物だと
思うのでH0/16番を色々買ってみました。
TOMIXとKATOの同じ形式の製品の違いも知りたかったので一部かぶっています。

私は鉄道模型を本格的に開始してから4年ほどで、それ以前も鉄道には興味がなく今も勉強中で
分からない事だらけです。
特に日本型は近所を走る私鉄以外良く分からず、こだわりの車両もありません。
鉄道模型と言う精巧に出来た模型が好きになり、更にジオラマ制作やデジタル制御を鉄道模型を
中心に楽しみ、そしてその楽しんでいる様子をブログやYoutubeで発信する事も楽しんでいます。

どうしてこんな言い訳を書くのか?と言う言い訳を書くと、欧州型に慣れてしまうと日本型の
鉄道模型を楽しんでいる方々のこだわりが恐ろしく感じるからです。
これは私が鉄道自体よく知らないと言うのもありますが、少しのミスも許されないように見えます。
欧州型はもともと多種多様な多国籍な列車が中央駅に集まるし故障した車両はその車両だけ
交換される事もあるので編成表もあてになりません。
これが欧州型の自由で何でもありな面白い所です。

前にも書きましたが日本の鉄道は時間が正確!と外国人から褒められて喜んでいるのを見ると
ほんと残念に思います。安全な運行のためにも欧州程とは言いませんがもっと時間にはラフで
ルーズな世の中になった方がストレスがなくなるはずです。
もう回復運転で事故を起こすことはないと思いますが・・・。

あと商品の良し悪しやメーカーへの苦情をブログなどに書くのは自由ですし良い事だと思います。
ですが、それを他人にも意見を押し付けるようだと一度深呼吸をして冷静に考えてみて欲しいと思います。
何にでも言えますが余裕のなさがストレスにつながるんだと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、大量の写真と共に私個人の感覚で鉄道としてではなく
模型としてどうなのかと言うコメントを書いて行こうと思います。

天賞堂51043 C11 171号機 JR北海道 H0/16番(1/80)

まず最初は昨日到着した天賞堂の低価格なプラスチックモデルのC11 171号機。
購入価格48600円(税込)




4万円台と言うと私の場合ESUのサウンド、スモークジェネレータ、デジタルカプラー搭載の
ギミック盛りだくさんの金属製機関車に近い価格なのでどうしても躊躇してしまう。
しかし届いて見ると個人的には大満足な製品、直接比較すればダイキャストや真鍮製の模型からは
ディテールが劣って見えるのかもしれないけど手に取ってその重さを感じるまで真鍮製と言われても
おかしくないディテールに思える。私自身真鍮製は1番ゲージしか持ってないのであくまでイメージで。
アナログだしサウンドもないけどNEM652 8PINコネクタがあるので後日サウンドデコーダを搭載する予定。

Roco 78271 BR85 H0(1/87)

続いて同じタンク蒸気機関車でデジタルでサウンド、ダイナミックスモークジェネレーター搭載のBR85。
購入価格386.54EUR(税、送料別)執筆時レートで約47000円。




ダイナミックスモークジェネレーターは動画じゃないとわからないのでGIFで。

サウンドにあわせてスモークが出る(実際はパラフィン混合物の燃焼)、メーカーによっては
シリンダーからも出てリアルかどうかはさておき鉄道模型としてとても楽しい製品。
サウンドも強力でH0にしては迫力のある音が出る。
プラ製なので全体的にプラスチック感は否めないけど走る姿が美しいのでお気に入り。

Märklin 39644 BR64 H0(1/87)

次はMärklinのBR64、標準ではスモークジェネレータはないけどデジタルでサウンド付き。
購入価格203.01EUR(税、送料別)執筆時レートで約25200円。




うちでもっとも酷使されてるだろうBR64は集電問題などでテスト機にもってこい。
Märklin製品は素材が主にダイキャストで全体的に大ざっぱな作りだけど壊れにくく丈夫。
サウンドも良くも悪くもなく特に売りにしてる感じでもない。
壊れにくいし外れやすいパーツもないので入門機と言う感じかもしれない。
こうして写真にしてみるとリベットの感じなど雰囲気が良い感じ。そして結構パワフル。

ロクハンC11 蒸気機関車 254号機タイプ(門鉄デフ)Z(1/220)

番外編だけど同じC11としてZスケールのロクハンから。一番右の小さいやつ。
購入価格11160円。




すごく小さいのにおもちゃって感じがしなくてちゃんと模型って感じがする素晴らしい製品。
動きも驚くほどスムーズで走らせていて楽しい。
もちろんアナログだしサウンドもスモークもない。
本来ここでNスケールのC11を出すべきだろうけど持っていない。

KATO 1-314 EF510-500 北斗星色 H0/16番(1/80)

父所有のものを借りてきた、とにかく安くパワフルで使い勝手が良いとの事。
購入価格10100円。




安いから買っちゃったよ~って感じの事言ってた気がする。
確かに驚くほど安い、ZスケールのC11より安い。
アナログだけどNEM652コネクタがついていてデジタル化出来るしモーターも2つでパワフル。
初めて見たEF510の模型がこれだったのでどうして安いのか良く分からなかったけど
次のTOMIXのEF510を見て色々分かった。
とにかくパーツが最低限、しかし入門機としては最高だと思う。
(一度私が1メートルほど落下させて修復した後がある)

TOMIX HO-140 EF510-500 北斗星色 H0/16番(1/80)

上のKATOのEF510と比べてみたくて購入、パーツの取り付けは前回の投稿で。
購入価格22620円(すべてポイントで支払い)





KATOと向きが逆だったりして分かり難いけど色味も形状もだいぶ違う。
どっちが正確かは分からないので単純に模型としてどうかを見てみるとTOMIXのパーツの
取り付けは前回書いたようにとても楽しい。良く作りこまれていて苦労するパーツがなかった。
欧州メーカーは見習ってほしいと思った。
価格がKATOの倍以上だけど、こちらはディテールも細かくメタルパーツもある。
KATOが入門機ならこちらはベテラン機って感じだろうか。(ただパンタグラフはプラかも)
上位のプレステージモデルならこれらが最初から取り付け済みで一部パーツがメタル化されるらしい。
ただし大問題なのがデジタル非対応でNEMコネクタもない。Nと同じでデジタル化するには
改造する必要があり欧州鉄道模型の多様性からすると残念。
父に預けてアナログでの走行をしばらく比較してもらう予定。

Roco 79954 Rh1293 ÖBB Vectron H0(1/87)

Rocoから大量にバリエーションが出ているVectron、サウンドはLeoSoundLab製と本気。
購入価格235.42EUR(税、送料別) 執筆時レートで約29100円。



近年Rocoは大規模なレイオフ、工場をオーストリア以外に移し低価格モデルはベトナム製になった。
海外のフォーラムでも話題になっている塗装のクオリティダウンもコストダウンにつながってるようだ。
パッケージもどんどん簡略化され、後付けパーツも日増しに増えてる気がする。
とは言えうちでは一番多いメーカーだし、クオリティが下がったとはいえ元が高かったので
日本型のメーカーからしたらかなり良い方だと思う。
サウンドデコーダー代を引けばKATOのEF510よりちょっと高いくらいの価格帯でTOMIXより安い。

KATO 1-824 タキ1000 日本石油輸送色 H0/16番(1/80)

購入価格3996円(税込み、量販店になくホビセンにて定価で購入)



量販店で売り切れていたKATOのタキ1000。
色分けされた部分でプラパーツ自体分かれているけどおかげで目立たない。
Nからしたら高いけど、こうして1両置いて見ても模型として存在感があるので飾っておきたくなる。

TOMIX HO-728 私有貨車 タキ1000(日本石油輸送) H0/16番(1/80)

購入価格4140円(税込み)。



TOMIXのタキ1000は量販店にまだまだある。
こちらの方が後付けパーツが多くてひと手間かかるけどKATOに比べディテールは幾分細かい。
その代わり価格も高い。定価は5184円。
追記:改めて写真でみると下回りはKATOの方が数倍ディテールに凝ってる。

 Roco 67125 Kesselwagen, GATX H0(1/87)

タキ1000と比べるのも変だけどRoco製のタンク貨車。
購入価格114EUR(税、送料別)3両セットなので1両あたり38EURで執筆時レートで約4700円。



こうして比べると日本型の2社の方がコスパが良い気がしてくる。
そもそも欧州型の貨車の値付けはこんな感じなので基準が違うのかもしれない。
タキ1000だから大量に同じ製品買ってね!と言うのと、GATX以外にもつながるから
たくさん他の貨車も買ってねと言う感じの差。自分でも何言ってるか良く分からない。

ESU 31253 Diesellokomotive BR265 500, Voith H0(1/87)

ESUのVoith-Turbo Gravitaはギミック大量で本当に素晴らしい製品。価格の価値ある。
購入価格331.09EUR(税、送料別) 執筆時レートで約40900円。




ESUの機関車はデジタルのみ、サウンド、スモークジェネレータ(ディーゼルにも)搭載。
そしてデジタルカプラーでどこでもボタンを押せば解放が出来る。
コマンドステーションへもレールへ置いて数秒でファンクションから製品名まですべて登録される。
大型のキャパシタも搭載しレールが多少汚れていても問題ない、とにかくすごいの一言。
プラスチックはほとんど使用されていない、ダイキャストと真鍮で作られているのにも
関わらず価格は40000ちょっと、最初に天賞堂のC11を躊躇した理由がここにある。
上を見るときりがないけど、この高機能っぷりでこの価格はむしろ安く感じる。
得られる物がとてつもなく大きく、他にないものだから。まさにプライスレス。
少量生産なので予約しないと人気のある物は手に入らない。
鉄道模型を趣味にしてる人はNだろうがH0だろうが関係なく人生で1度は1両所持して体験して欲しい。
ほんと異次元なのでESUの機関車オススメ。

Jägerndorfer 17402 ÖBB Cityjet Desiro ML 3-tlg.  H0(1/87)

最後に機関車ではなく欧州型電車、デジタルでサウンド、室内灯付き3両固定編成。
購入価格374.29EUR(税、送料別) 執筆時レートで約46300円。


Jägerndorfer 17402 ÖBB Cityjet Desiroのルーフのハイディテールっぷりはなかなか。
室内はモーター車で犠牲になるなど妥協点もあるけど、まったく気にならない。
音も最高だし走らせて眺めるのに最高の電車。

最後に

需要と供給の違いでどうしても日本型の価格が高くなってしまうけどこうして欧州型と比べると
ただ単に需要と供給だけではない、作り手のこだわりなどが見えてくる。
逆に言えば欧州型がその分いかに安いかがわかる。
そしてそれに追いつく勢いのKATOにはほんと頑張ってもらいたい。
せめてDCC用にNEM652コネクタつけたならライトに結線してほしい・・・。
モーターだけじゃ意味ない。

それぞれ紹介している欧州型の車両は動画でも見れるのでいくつかご紹介。

ESUのデジタルカプラーを使った貨車の入れ替え。


スモークジェネレータやサウンドの比較。


H0/16番だからって必ずしも広いスペースは必要ない、省スペースH0の勧め。






10 件のコメント:

  1. 大変興味深く拝見しました。一点だけ、tomixのタキ1000の項がkatoのままになっています。

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    1. ありがとうございます!お恥ずかしいミス、さっそく修正致しました。

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  2. こんばんは。
    私も比較してみたいんですよね。
    大人になってから日本の鉄道模型を買っていないので、ヨーロッパ型と日本型は何がどれぐらい違うのか違わないのか。
    そしてNとHOがどれだけ違うのか。
    やりたいことばかりが毎日増えてるのに、やる時間はほとんど変わらないし、使えるお金もそこそこ限界まできちゃってるし、困ったものです。
    しかし、記事の冒頭で仰っていたこと。
    私は日本とヨーロッパの鉄道模型で一番違うところはユーザーのスタンスだと思うんです。日本の鉄道模型ユーザー(一部のヘビー?)の言うことを聞いていたら商売として成り立たない。商売として成り立つやり方をすると叩かれる。それが日本の鉄道模型業界が前に進めない最大の理由なんじゃないかと。
    そんな世界が嫌で思春期になった私は本能的にサーッと鉄道模型の世界からいなくなりました。笑

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    1. Gutさん、こんばんは!
      実際見てみると皆さんおっしゃってる様にプラ成型や塗装のクオリティはめちゃくちゃ高いんですよね。
      おそらくL.S.ModelsやA.C.M.E.でしか欧州型は対抗できないと思います。
      Nもいくつかここ1年で買ってきましたがかなりクオリティが高いです、そのくせ安い!

      「鉄道模型ユーザー(一部のヘビー?)の言うことを聞いていたら商売として成り立たない」
      まさにそうですね、そしてその声が大きく聞こえてしまうのがネットの恐ろしさです。
      さらに同調する人まで出て来るのでメーカーは悩ましいですね。
      大手2社はもっとわがままになっていいと思うんですよね。
      それが価格の上昇につながろうとも!
      ユーザーの教育もメーカーの仕事だと思っています。

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  3. 遅ればせながら明けましておめでとうございます。
    年末の「過去を振り返る」とこの「写真で見るHO/16番と欧州型HO鉄道模型」を興味深く見させていだだきました。
    私自身にはこれだというポリシーが無いのですが、日本はNゲージが圧倒的であり、かつ日本での鉄道模型入門がほぼNゲージであるという現状がHO/16番のいろいろな面(うまく説明できないのでごまかします(笑))で制約となっている気がします。
    そして鉄道模型入門はHO/16番のほうが適しているのではないかとも思ったりしますが、現状では・・・
    本年もよろしくお願い致します。


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    1. うなぎのかばやきさん、こんばんは。
      あけましておめでとうございます!

      なるほど確かに入門こそH0/16番の方が良いと言うのは分かります!
      出来る事が大幅に増えるし実際KATOは低価格でデジタルにも対応してる。
      やる気があればサウンドも対応もできる。将来的には多機能な欧州型も楽しめる。
      ステップアップするにはNじゃ限界がありますもんね。

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  4. おはようございます。

    価格と共に特徴を書いていただいているので、欧州型メーカーと日本メーカーの違いが掴みやすいです。
    それぞれ長けたところはあれど、価格内でのギミックは圧倒的に欧州型が上ですね。
    走らせて楽しむVS飾って(所有して)楽しむという構図でしょうか?(^-^;

    HO・16番でこのように差が出るので、本来走らせるNゲージですが、意外に16番より顕著になるのかなぁと思いますね。

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    1. がおう☆さん、おはようございます!

      「走らせて楽しむVS飾って(所有して)楽しむ」
      まさにおっしゃる通りかもしれませんね。
      日本のメーカーはこの「飾って(所有して)楽しむ」を意識しすぎたかもしれません。
      ある意味怠慢で、飾るならR370曲がらなくても良いでしょ?みたいな!
      全員は全員そうじゃないでしょうと私は思いますが日本型の皆さんってどうなんでしょうか?
      多様性を意識しなければメーカー自らユーザーを選択肢し捨ててきた事になります。
      そして残ったユーザーが鉄道模型に望む姿だと錯覚してしまう。
      私のように新規で入ってきた人間には恐ろしく思えます。

      Nもおっしゃる通り顕著になりますね!
      少ないですがNの欧州型と日本型を所有してみてその差は大きく感じました。
      思想の違いと言ってしまうと聞こえは良いですが、日本のメーカーはもっとわがままになって良いと思います。
      飾るだけで良いと言うユーザーだけが始める趣味を望むなら今のままでも良いと思いまが、そんなのいびつですよね。

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  5. こんにちは。

    日本型と欧州型を公平に比較する内容が興味深かったです!
    私自身幼少の頃から慣れ親しんだ日本型が大好きで、少し前まではむしろ欧州型に違和感を持ってました。本当に好き?だと床下機器の配置(サウンドなど日々自然に親しんでいる分)まで記憶しているもので、精巧に作られた高級なモデルに対しての要求は現状で満足とはならないでファンの欲求を満たすには日々精進した現在のKATOやTOMIXの高額なモデルがちょうど当てはまると思います。行き着くところは本物と同じを求めているんですよ。少なくとも私がそうです(笑)商売とかは置いといて、鉄道模型とうたうのならばとことん突き詰めてくれという精神です。
    コレクションとして見ている人もいれば、走行性能も伴なっていなければいけないとか本物同様の欲求に答えようとメーカーも努力を惜しまないで商品開発している姿は立派としか言いようないです。おそらく日本国内で儲けるのは難しいでしょう。KATOの海外進出は必然だったのでしょう!国内のブラスモデルを所有しているような方々の要求はもっと上なんじゃないかと思います。
    欧州モデルを始めてみてからはまず第一に実物に慣れ親しんでいないもので、床下機器の形状までまず分からないしでそれよりも塗装の具合とかパーツ類の細かさなど日本型とさほど変わらない程度のモデルならばそれで良しとなりますね。ここでさらに日本型に無いサウンドやファンクションを搭載した異次元ともいえるモデルがこれまた異次元のプライスで手に入れる事が出来るのを知ってしまうと今まで求めて来たものは一体なんだったのか!と広い視点で気づくのです。
    現在の環境では日本型にそれを求めても叶わないので、好みのモデルを見つけては購入を繰り返すうちに今まで違和感を感じていたモデルも段々と受け入れられるようになって来た事に気づく道のりなんでしょうか。

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    1. JR浜松さん、こんばんは!

      なるほどやはり長く日本型をそして欧州型を経験してるからこそのコメントですね!
      ありがとうございます!
      おっしゃるようにコレクター気質な方が多いからこそ真鍮製メーカーもいまだに生き残ってると言えるのかもしれませんね。
      欧州型に慣れてしまうとその点まったく異質なものに感じてしまうので考えを改めないと行けないと思いました。
      と言うわけでこのJR浜松さんのお話を伺ってちょっと新しいプロジェクトを思い付いたので今年は新たな試みを開始します!

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