The Nameless City: 国産DCCコマンドステーションについて

2017年8月15日火曜日

国産DCCコマンドステーションについて

まもなく発売されるRokuhanのコマンドステーションの詳細が分かってきた。
そしてうたい文句の「かんたん」と言う言葉についてちょっと考えてしまった。

私がDCCと言う言葉を知ったのが2015年の3月26日「ドイツ鉄道模型を勉強」の頃。
この時は鉄道模型を始めて2ヵ月、そもそも小学生の頃少し触った知識しかないので
現在の鉄道模型がどういう仕組みで動いているかも分からなかった。
実際の所何も変わっていなかったけど。

そして本格的にDCCについて調べたのが2016年2月3日「ちょっとした目標」の頃。
主に調べたのはKATOで、たぶん日本で最も普及しているDigitraxのコマンドステーション。

私は文系出身なうえに頭も良い分けではないので電気はおろか数字が出ると途端に面倒になってしまう。
横着していかに簡単にDCCを楽しむか、まずはそこから考え始めた。

KATOのDCCのサイトはデザインが古臭いけど分かりやすい。
http://www.katomodels.com/hobby/dcc/

「DCCについて」に書かれている内容はとても分かりやすい。
「DCCをはじめてみよう!」に書かれている内容をみてDigitraxはやめようと思った。

http://www.katomodels.com/hobby/dcc/start.shtml
D101(今は102)は今時4文字しかでない画面でボタンで何とかして行くスタイル。
古いからとその時は思ったけどMärklinのCSやESUのECoSを考えるとそうでもない。
低価格で提供と言う意味も分かるけど簡単からは程遠い。

結局日本語だけで調べるのをやめて海外へ目を向けるとDCCが驚くほど普及している事に気付く。
各社DCCコマンドステーションを比べ、価格も考慮した結果行きついたのがz21だった。

日本語のページもあるけど機械翻訳で簡易的。
しかし日本と言う小さすぎる市場にここまでしてくれてありがたい。
http://www.z21.eu/jp/Roco-Z21
スマホが扱えればおそらくこの時もっとも簡単なDCCコマンドステーションだった。
UIもシンプルかつ直観的で分かりやすく、レイアウト画面も良く出来ていてポイントなど自由に配置が出来る。
そして何よりも白箱のz21(zが小文字の方)は低価格。
Youtubeで調べれば世界中の人が簡単操作を教えてくれる。
ただし自動化は今の所PCへの接続と他社ソフトウェアが必要。

そして私が本格的にDCCを始めたのは2016年2月17日「z21 Starter Set を試す」の頃。
仕事の都合上LANやネットワークの知識はあったのでこの時IPアドレスなど自分で設定したけど
ネットワーク知識がない場合は付属のルーターが初期設定済みなので簡単にDCCを始める事ができる。
z21はDCCの入口として本当に良かったと思う。

この時点では知らなかったけどDesktop StationもPCとUSB接続すれば同様に簡単低価格だと思う。
ただ勝手な事を言うと法人ではない点が今後問題かもしれない。
ちょっと脱線するけど法人化するメリットは主に信頼度、企業間では特に重要。
私も収入が増え9年前に個人事業主から法人に切り替えた、デメリットももちろんあるけど
会社設立後すぐに正解だったと思えた。
はたから見ればブラックな働き方だけど時間は今でも自由に使えるし家庭を持って家も建て趣味を楽しめてる。

KATOやTOMIXからこのDesktop Stationが発売されていたらDCC導入が更に簡単だった気がする。
しかし前に書いた「鉄道模型市場規模について」の事を考えると国内大手がリスキーな個人開発の
DCCコマンドステーションを扱うとは思えない。

話を戻して今年3月に簡単なz21から始まったDCC生活もIPリセット問題に出くわしECoSに切り替え。
そしてRokuhanから簡単をうたい文句にした国産DCCコマンドステーションが今月発売される予定。

http://www.rokuhan.com/e-train/
これもz21同様スマホが扱えれば簡単に素早くセットアップも出来るようだ。
コマンドステーションとスマホ接続がz21のようにWiFiでもなく、Bluetoothでもない。
なんとオーディオケーブルで有線接続して操作する。
電話でネットしていた時代を思い出すとピーガーガガーって音が聞こえてきそうな気がする。
その代わりz21のように複数の端末で同時に扱えない気がする。何か方法あるだろうか?

そして無線化する場合はオーディオをBluetooth経由にすると言う発想。
Bluetoothで直接操作するDCCデコーダは海外ではすでにあるけど、今の所技適の問題で
簡単に日本へ輸入できないようだ。
例えば2016年8月18日に書いた「Blue Rail Trains:Bluetooth smart train control system

メーカーとしてこの仕様にした一番のメリットは海外輸出じゃないだろうか?
無線であるWiFiやBluetoothは許可が必要だけど無線化は自分でやってねと言う事なら何も問題ない。
WiFiやBluetoothがない分ハード的にもシンプルなのかもしれない。
そしてRokuhanはKATO同様すでにドイツNOCHと提携してる。
http://www.noch.com/en/about-noch/trademarks/rokuhan/

TOMIXも頑張ってアナログの自動化を目指しているけど、Märklinのアナログ自動化から
かなり遅れているにも関わらずいまだにこだわってるのはいかがな物だろうか。
(ちなみにMärklinは1979年にデジタルへ移行を開始、DCC誕生もこの時期)

KATOは1980年代に独自にデジタルへチャレンジした経験があるけど今はDigitrax頼み。
そのDigitraxが微妙にやる気を感じない。これはアメリカの鉄道模型事情も絡む。
自動化や複雑なレイアウトを楽しむ欧州に対してシンプルでゆっくり進む長編成やスイッチングを楽しむ
アメリカでは操作方法が異なるのかもしれない。
KATOはアメリカ市場に昔から参入しているので国内もアメリカ産DCCになるのは当然だったろう。

Rokuhanは新規参入の強み、しかも(Märklinのおかげだけど)欧州で強いzスケール。
そこへ低価格DCCコマンドステーションだから結構いけるんじゃなかろうか。

ただ前に書いたしTwitterにも辛辣な意見を書かせてもらったけどUIを何とかしてほしい。
せめて真似で良いからz21を基準にして欲しかった。

Apple含め近年フラットデザインに移行したのは操作性や視認性に意味があるからで決して
カッコいいが先に来ているわけじゃない。
そこであえてリッチなデザインにこだわるならちゃんとデザインしないと。
とは言え触ってみたらこの意味不明な装飾にも重要な意味があってすごく扱いやすいのかもしれない。

あとRokuhanは自動化も目標にあるんだろうか?
自動化できるかどうかがz21との差別化にもなる気がする。

だらだら書いてしまったけどとにかく国産DCC頑張れ!
Rokuhanも実は国産じゃないかもしれないけど・・・。




4 件のコメント:

  1. 日本はアナログDCユーザーが圧倒的で、デジタルへ興味のある層が非常に少数派というのが、国産DCCがなかなか成長しない、一番苦しいところです。メーカー側もコスト低減でコネクタ搭載はせずにDC専用、もしくは制限付きコネクタにしているケースが多いです。
    鶏が先か卵が先か、という微妙な状況に、今日本はあるのが実情です。

    今は、DCC普及のための前段階としてあの手この手の草の根活動をいろいろとやっております。メーカーさんにも、宣伝場所を貸してもらったりと、いろいろと協力してもらってますが、なかなか簡単ではないです。

    DCC電子工作連合:
    http://desktopstation.net/tmi/

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    1. Yaasanさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます。

      やはりユーザーが変わらなければ国内のデジタル市場は変わらないと言う事ですか。
      本来メーカーが先導すべきなんでしょうけど、Yaasanさんのような方々が頑張らなければ行けない現状がおかしいですよね。
      メーカーの言う低価格化も重要だと思いますが、始めたばかりの私には自分の首を自分で絞めている様に見えます。
      この時代海外と歩調を合わせないガラパゴス化は携帯電話のように他の製品でも衰退してますよね。
      現状の少ないユーザーを低価格化で奪い合うのではなく新規で支払い能力の高い層(例えば60代以上)を取り込む努力もメーカーはしていないような気がします。
      私の周りだけかもしれませんが鉄道模型は子供がやる物と言う認識も足かせかもしれません。
      TOMIXなんかは元がおもちゃメーカーですから余計そういう認識がありそうです。
      そう考えるとRokuhanはチャレンジャーですね。

      DCC電子工作連合と言うのがあるのですね、拙いブログですがリンクさせて頂きます。
      TwitterやFacebookもありますか?SNSで拡散するとより良いと思います。

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  2. 低価格化は、まさに愚の骨頂で、私も同意です。目に見えない、売上の数値化がしにくい将来への投資より、目の前の利益回収にひたすら走る経営層が多いのは模型以外のメーカーでも同じで、日本の先行きに不安を感じるばかりです。

    ユーザーが団結して、ひっくり返す方法は無いか、ということで草の根活動でじっくりやっていきたいと思います。ユーザーだから利益度外視でできることである、オープンソース・オープンハードで電子工作・DIYな人たちも巻き込んで、楽しく普及をやっていこうと思っております。

    Nardiさんも、ここで海外製模型の凄さ、楽しさを紹介されることでも、国内への良い刺激につながると思います。今後共よろしくお願いいたします。

    #当方のアンテナからもリンクを貼らせていただきました。

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    1. 確かに模型以外でも同じですね・・・。
      いつまでもバブル時代の幻想に取りつかれている経営者が多いのかもしれません。

      オープンソース・オープンハードで楽しく普及と言うのは本当に素晴らしいですね。
      自分は工作技術や電機知識がないのでまさにYaasanさんの仰る「海外製模型の凄さ、楽しさを紹介」だけでも微力ながら貢献出来たらと思います。

      刺激や意識を変えると言う意味では私の仕事の分野でも似たような所があります。
      そう言う所も私自身ブログで意識して行こうと思います。

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