The Nameless City: レイアウトのライティングについての考察
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2018年1月29日月曜日

レイアウトのライティングについての考察

先日から進めているモジュールレイアウトのライティングについてもう少し追い込んで考察してみた。

JR浜松さんのライティングを参考にして、更にご本人から直接設置の仕方まで教えて頂きました。
購入したLEDスポットライトまで教えて頂いたのにも関わらず結局去年買った面光源で行くと大変
失礼極まりない感じですが、その理由も実際に3DCGソフトを使って考察と解説をして行こうと思う。

今回画像大量。
ここ最近のLED照明の設置個所、マンフロットのAutoPoleにトキスターのミニブームを取り付けて
モジュールレイアウトから手前へ飛び出す感じにDracast LED500 Proを2台設置。
中央には安物の撮影用LEDライトを補助で設置。モジュール上90cm~100cmの高さ。

Dracast LED500 Proは1mの高さで5500ルクスの能力があるのでこれでもだいぶ太陽光っぽさは出た。
しかし気になる点もいくつかあり、まだまだ納得いっていない。

まず撮影で基準となる照度ルクスと言う単位で話しを進めていく。
1ルクスは1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされるときの照度。国際単位系で決められてる。

まず現実の太陽の照度をググると大阪市立科学館の資料がヒットする。
大阪市立科学館のHPはこちら http://www.sci-museum.jp/
照度が出ているページのトップからのリンクが分からないのでURLは割愛。
太陽光は夏の晴天昼で100000ルクス、冬だと50000ルクス。すでに単位がおかしい。

太陽と地球の大きさの比較、地球人ならお馴染み。

少しアップにしてから大きさの比較。
太陽の直径1392000km、地球の直径12756km、太陽は地球の109倍の大きさ。
その太陽から3番目の惑星だけど太陽からの平均距離は約1億4960万km。
地球へ到達する光は大気など邪魔するものがないので直進する、しかし地球も太陽も丸く少し角度がつく。
おそらく学者から言わせれば黒点やフレア、プロミネンス、コロナやらで複雑になるだろうけど
ここでは1つの光源として仮定する。
地上のしかも日本と言う小さな島となるとほぼ直線で届いていると考えて大丈夫そう。

私が面光源にこだわりたい理由はなんとかフラットに太陽光を再現したいからだけど低価格かつ人工的に
作り出すにはやはり難易度が高い。

次の写真はガチな私の仕事の写真で、ある合成素材撮影の現場。
ハリウッド映画のメイキングなどで見る感じに近いと思う。
撮影監督、照明監督へグリーンバックをフラットに抜けて、かつ演者にはそれなりの影が出るように
オーダーした所、このようなセッティングになった。
手前の照明チームのかたが脚立にのって調整している照明がARRIのHMIと言う巨大な照明。
HMIのなかでも中型サイズだと思う。

ちなみにARRIは映画好きな人なら良くエンドロールにロゴが出るのでご存知な方も多いかも知れない。
ARRIはアーノルド&リヒターと言うドイツの映画撮影機器メーカー。
またドイツかぶれか!と思われそうだけど業界のデファクトスタンダードになっているので仕方がない。
http://www.arri.com/lighting/daylight/

大型のものになると20mで25000ルクスを超えるので20m離れてても4~5基で真夏の太陽を再現できる。
上の写真のスタジオ撮影では3mくらいしか離れていないので1基でも十分太陽光になる。

そんなARRIのHMIを使えばすぐに解決する問題だけどDaylight HMIは300万円以上する。
そしてARRIのHMIも距離が近づけば近づくほどスポットライト同様角度がつくのでそもそも家庭では難しい。
と言うわけでここでいったんARRIのHMIを忘れる。

ここからスポットライトと面光源の違いを分かりやすくしてみる。
コンピューター上の話なのでとても正確に表現されるけど現実はここまではっきりと違いはでない。
なぜなら面光源も点光源の集合体のため。

被写体は80cmの高さのダイニングテーブルと椅子、そしてテーブルの上に謎の棒たくさん。
光源はさらにここから1m斜め上からダイニングテーブルをうまく照らせるように設置。約45度で照射してる。

まずはスポットライトの俯瞰から。

真俯瞰で見ると分かりやすい、光源を中心に斜めに影が伸びてしまう。

CGソフト上で見るとこんな感じ。

手持ちの安物スポットライトだけど実際にレイアウトを1m斜め上から照らしてみたのがこちら。
分かり難いけど信号の影がCG同様光源に対して広がっているのがわかる。

そりゃそうだって感じで、次は面光源。

真俯瞰で見るとまっすぐ影が出る。この感じがもっとも太陽光っぽい。

CGの光は正確すぎて逆に不自然に感じるので普段仕事ではこれにたくさんの照明を追加する。

実際のレイアウトでは面光源とは言え点光源の集合なのでスポットライトほど信号の影がはっきりしない。
ただ影の方向はほとんど同じになる。光が拡散した曇り空に近いかもしれない。

ここでJR浜松さんのレイアウトのライティングがいかにすごいかを解説。
たくさんのスポットライトをいかにうまく設置しているか分かると思う。

例えばスポットライトを正直に水平に2個並べるとこうなってしまう。

当然スポットライトの光源は2個なのでそれぞれ光束がかぶった箇所は2重の影になってしまう。

CGソフト上で見ると光束の重なり具合がわかりやすい。

ではどうするかと言うと、微妙なセッティングで光束が重ならないようにする。
例えばスポットライトを3灯使った例がこちら。

真俯瞰で見る、光量を落としたので若干暗くなったけど影の向きが何となく同じになった。

これは極端な例だけどスポットライトを複数使う場合の参考になるかもしれない。

さらにJR浜松さんのレイアウトは起伏があり複雑に入り組んでいるので影のコントロールと
スポットライト同士の重なりをうまくなじませているのだと思う。
全然そんな事なかったらごめんなさい。


ここで私のモジュールレイアウトに戻って考察すると、まず幅が4mあってフラット、起伏がない。
もしスポットライトで4mを埋めようと思うと10灯以上必要になるかもしれない。

そういうわけで出来るだけ面光源で出来たらと思って今はDracast LED500 Proを使ってる。
この写真を見ても分かる通り5500ルクス1灯で1モジュールまかなえてる事が分かる。
しかも影は見せたい場所ではほぼまっすぐ出る。
ただ中央のモジュール接続部分はさすがに光量が落ち、影もだぶるので補助ライトを設置した。

ミニブームの設置の都合で左右のLEDの高さが違うけど、パッと見で明るさの違いがないので
良しとしていた、しかしご覧の通り写真で見るとだいぶ明るさが違う。
違いが分からなかったのは人間が脳内で補正しているためだと思う。
詳しい事は分からないけど脳がどれだけ現実の補正をするかはV.S.ラマチャンドランの本を読む
と少しわかった気になれる。

明るさの違いが写真を撮らないとほとんど分からないので照度計と言うのを買って見た。
右モジュールの中央付近は3522ルクス。

左モジュールの中央付近は4230ルクス(検出範囲を変えたので表示がちょっと違う)

左右のモジュール間は補助ライトを付けた状態で3107ルクス。

右コーナーモジュール付近を測るといっきに下がって578ルクス。これは天井備え付けの照明の明るさだ。

やはり左右のLEDの高さで750ルクスも差が出ていた、これは普通の卓上ライトレベルの差だ。
やはり数値で現れるとショックだ、もう少しまじめにセッティングしよう。

照度計についていたJISの適正照度表がなかなか面白い。

現在私のレイアウトは病院の処置室以上に明るい事がわかる。
この事からもLED自体は問題ないのでやはり設置の仕方を工夫しなければならない。
台数も増やさなければならない。

先日「HOモジュール42:ライティング見直しと少し作業」でも書いたけどアメリカのシェルフレイアウトでは
照明は視線から隠すように設置される。

マルチデッキ型での視線の例。


照明の設置はこうなる。この例はテープLEDなので面光源的考え方になる。

固定レイアウトを作る時はこういう設置の仕方をしたい。

そしてこんな感じに暗くしてミュージアム的にしたい。


シェルフレイアウトはこうしてフェイシアで隠す事で光の拡散をシェルフ内にうまく留めてる。
たまに車両の室内灯で光を強くさせようと銀紙やアルミホイルを使う方がいるけど、室内灯なら
光を拡散させた方が明るく見えるはず。鏡のように反射させると直線的になるから乱反射しない。
実は白の方が乱反射する。もっと言えば映画のスクリーンのように凸凹の白生地に細かい銀の粒子を
入れるのが一番効率が良い。

脱線しまくりだけど、まとめるとレイアウトに起伏があって見せ場も特定できるようなケースではおそらく
スポットライトをたくさん使った方が安上がりだし狙った所を浮きだたせる演出ができる。
レイアウトがフラットで見せ場もたくさんあるようなケースだとスポットライトはなじませるための
逃げ場所がなくて厳しいかもしれない。
もちろん固定レイアウトならセッティングを煮詰めれば行けると思う。
しかし私のようなモジュールレイアウトで照明も固定ではない場合は面光源複数の方が
良いのではないかと今の所考えてる。

ちなみに海外の例えばミニチュアワンダーランドは出来るだけどこから見ても影にならないように
フラットに蛍光灯をあてていた。演出やメンテナンスも考慮してるからかもしれない。

2018.01.30追記メモ:
やはりアメリカのシェルフレイアウトはライティングの検証が多く勉強になる。
太陽の事も似たような感じで書かれてる。
Shadow Box and LED Lighting Questions http://model-railroad-hobbyist.com/node/22389



2 件のコメント:

  1. こんばんは。

    今一通り読んでみました。素人にもなんとなく納得出来るような詳しい専門的な解説に圧倒されました。わたしの事は褒めすぎですよ(^^;;
    ただLEDの灯数を増やしていったのは、より自然に見えるようにしていった結果です。最初は250W3灯からスタートしてその後200W2灯増やして最終的に250Wを5灯にしてようやく、落ち着いたのは本当です(笑)記事にあるように灯数を増やして自然な影らしくなりました。私自身にこのような知識がある訳で無く、運もあったんですね。

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    返信
    1. JR浜松さん、こんばんは!

      確かに褒め殺しみたいになってますね(笑)
      けどこれだけは言えます、運ではなくてセンスだと思います!
      スポットライトだけであれだけの演出をするにはCGでも結構大変です。

      やはりトライアンドエラーの経験があるからこそなんですね。
      それを聞いて安心しました、同じ人間だと(笑)

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